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今年は異常に暖かい?2016年の暖冬での影響を調べてみた

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かるびです。

週末から少し寒くなる予報も出ていますが、これまでのところかなり平年より暖かく推移していますね。かるびも、今年度はまだコートを出していません。如何に東京がヒートアイランドで温かいと言っても、やはり異常気象だよな~って思います。

さて、そんな暖冬ですが、今日、ポジ熊さん(id:pojihiguma)の記事を見てかなりいろいろなところで影響が出てるんだなと実感。

かるびの勤務先近くの公園でも、未だにもみじが紅葉中。(2015.1.7撮影)

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かと思ったら、一方では、梅が開花したとの情報もあり。

もう、なんなんでしょうね。この気候。地球温暖化の影響で、毎年なんだかんだで「今年も暖冬だ」ってよく言われてます。でも、特に今年の冬の暖かさは、やっぱり異常だと思います。

ということで、今日は、この暖冬で、何がどう影響するのかちょっと調べてみました。調べてみて、特に「あ、そうなんだ」と個人的に印象深かったものをいくつかピックアップしたいと思います。

1、暖冬で困ってしまうこと

1-1:スキー場が相当厳しいことになっている

去年の今頃と比較すると一目瞭然。去年は、とにかく雪がいっぱいありました。ですが、今年は降らない上に、せっかく降っても、日中は暖かくて溶けてしまうところが続出のようです。

http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20160107/images/PK2016010602100207_size0.jpg

「雪がない」スキー場悲鳴 相次ぐ営業見送り、キャンセル:長野:中日新聞(CHUNICHI Web)

残念だけど、数十年後はもっと暖冬が進むと、スキー場はこんな感じになっちゃうのかな。将来は北海道とか海外でスキーを楽しむ時代がキてしまうのかもしれません。

ちなみに、JR東日本のポスター。しっかりと今年の雪不足を予言していたようです(笑)

「そこに、雪はあるか。」

「・・・ない。(T_T)」

1-2:冬物衣料品が売れない

しまむら、ユニクロなど、大体衣料品小売は苦戦するんでしょうね。あくまで個人の体感ですが、今年の正月はやたら福袋商戦が激しかったような。売れ残り一杯詰めてる?

だけど、消費者としてはチャンスかも。売れなければ、当然早めに見切り売りをしてくれるでしょう。そこを狙い撃ちでして、バーゲンでいいものをゲットするチャンスです。余談ですが、売れない、売れない、といっても一部ネットで話題になっているこれなんかは、ウン万もするんだけどかなり売れてるみたい。

いいものは、時代に関係なくいつも売れるんですね。ほしいな~、これ。

1-3:発酵や腐敗が進みやすい

経済よりも身近な生活面での影響です。みかんもおせちも、カレーの作りおきも油断したらすぐ腐る・・・。かるびも、正月早々、常温で置いたら味噌汁が2日目で腐りました。2日目からが美味しいのに・・・

意外なところでは、干し柿業者が吊るしておいた干し柿が腐って廃棄したとか、日本酒の「寒仕込み」で酵母が働き過ぎて味が悪くなったりと、散々のようです。

2、暖冬で逆に助かること

2-1:ビールとかアイスクリーム、飲料系が売れる

例年冬場は苦戦するジャンルですが、今年は冬でも売れまくっているようです。今日も、営業先から帰社した暑がりの同僚は、冷たい烏龍茶をうまそうに飲んでました(笑)株をやっている人は、過去の暖冬のケースを見て仕込むチャンスかも?!

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2-2:自転車とか扇風機が売れる?!

キッズ向けの自転車が売れているらしいです。寒くなくて、子供が外で遊ぶからなんだとか。意外な影響がありますね。こちらの記事によると、

家電量販店エディオンでは、例年と比べて暖房器具が7割減。一方で扇風機を求める客が増え、店舗では年間使用できるエアコンを提案するなど工夫している。担当者は「今後の冷え込みに備え、暖房器具も最後まで取り組みたい」と気は緩めない。別の店の担当者は「PM2・5の話題もあり、空気清浄機などにも力を入れている」という。(中略)

暖冬の影響は意外なところにも。イオン琉球によると、自転車の売り上げが2割増で特にキッズサイクルは4割増と好調だという。担当者は「気温が高く天候もいいので、自転車で遊ぶ機会が増えているようだ」と背景を語る。

2-3:野菜はでかくなり、イチゴは安くなる。

かるびはイチゴが好きなんですが、今年は11月に出てからすぐに1パック300円台に下がってしまい、あれっと思った感想があります。また、葉物野菜なんかも、でかくて美味しいのが出回っています。特に白菜・キャベツ・大根は巨大化著しいですね(笑)

こちらの写真は、実際にかるびが年末に埼玉の直売所で見た白菜の山。これ1個200円でした。冷蔵庫入らないくらいでかいし食べきれないので、見送りましたが・・・

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2-4:インフルエンザの流行が穏やかになる

暖冬だと、流行り始めが遅いそうです。また、少しずつ流行っていくので流行も爆発的にならず、大流行はしなさそうだということですね。

この流行マップの比較を見ると一目瞭然ですね。今年は遅いのかな。

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ただし、極度の暖冬だった2006年~2007年シーズンは、流行が遅くなっただけでしっかりと例年通り罹患する患者はいたので、油断は禁物でしょうね。こちらの、東京都健康安全研究センターのまとめを見ると、暖冬だった2006/2007シーズンでも、流行の山は後ろにずれているだけで、山自体が小さくなっているわけじゃないことがわかりますね。

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引用元:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/inf/2006/18.pdf

まとめ

経済研究所などの色んな過去レポートを見ていると、暖冬の場合は全体的に景気は悪くなるようです。でも、我々の生活面では、必ずしも困ることだけじゃないみたいですね。逆に、暖冬のおかげで思わぬメリットも出る業界や地方もあることがわかりました。もし他にもこんな暖冬の影響があるよ?というのがあれば、是非教えて頂ければありがたいです。

とは言っても、週末は関東など太平洋側でも雪予報が出ています。皆さん暖冬だからといって、油断して風邪など引かないようにお気をつけ下さいませ。

それではまた。

かるび


今年こそ人生を変える?ミニマリストになれば幸せになれるのか考えてみた

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かるび(@karub_imalive)です。

新年早々、こんな記事を見ました。

去年の秋にはてなにブログ開設してから、はてなには「ミニマリスト」系の記事がかなり多いなーという印象がありました。「片付け」でもなく「断捨離」でもなく、なぜミニマリストだけが目立つのか不思議でしたが、2014年頃から有力なミニマリストがはてなブログで発信してて、そこに人が集まってきてるということなんでしょうね。

ということで色々Youtubeやブログを見たけど

いや、これは自分には無理ですわ(T_T)
Googleで試しに「ミニマリスト」で画像検索をして頂くとわかりますが、ミニマリストの自宅は、とにかくモノがない。ビジネスホテルの部屋並の簡素さだったり、それさえも突き抜けて、本当にこれ人住んでるの?って思う位の空き部屋のような空間・・・。
 
物欲が多い自分には、これは無理だと早々に断念。
正直、まだまだ欲しい物がいっぱいあります。

ミニマリストってなんで反発に遭うのだろう

はてなブログ内では、大物ブロガーを中心に、どちらかというとネガティブ寄りのエントリが多いですね。それも全部読んでみました。結果、ミニマリスト自身により書かれたこの記事が一番腑に落ちました。

この記事では、ミニマリストの生き方=合理的な生き方、と冒頭で結論づけた上で、ミニマリスト生活の生み出す弊害について書かれています。

まとめると、

ミニマリストは、最小でシンプルであることに「執着」しがち。執着はやがてエスカレートし、モノを減らすことに全力になってしまう。
・ライフスタイルをシンプルにする=「幸福」と勘違いしてしまい、そこに自分の優越性を見出し、そうでない人と区別してしまう。
・または、ミニマリスト的なライフスタイルが、単に節約生活の延長線上にあるノウハウに矮小化されてしまっている。

これらから、一般人から見ると奇異なほどモノがない空間で幸せそうに生活し、排他性や宗教性を帯びた特殊集団に見えがちになります。得体のしれないものへの一種の恐怖感に似た感情なども相まって、反発を生んでいるのだろうなと感じました。

ミニマリストの起源って・・・

ところで、ミニマリストの最初の成り立ちって、どこにあるんでしょう?Webで調べても、これ!という情報が今ひとつつかめなかったので、勝手に起源を予測します。

これは、一旦物に囲まれた生活をガンガン体験した結果、消耗しちゃって、「いくら物を所有しても幸せになれないよ」って気づいた人たちだったんだと思うんです。(この「物」を「金」と言い換えてもいいかも)

それじゃあ、何をすれば幸せになれるんでしょう?

物があっても幸せになれないんだったら、全部物をなくせば幸せになれるんじゃない?っていう仮説から始まったんだろうなぁと。

「モノ」に執着しても究極の幸せはつかめない

人間は、モノや信条、地位など、絶えず何かに自分の拠り所を見つけ、それに自己同一化し、アイデンティティや自我を保ち、幸せを追い求める性質があります。これが健全なレベルであれば、「個性」として認められ、それは「価値」の源泉となるわけです。

ただ、例えば「依存症」という言葉があるように、そういった自己同一化によるアイデンティティの保全は、すぐに「何かへの執着」へと 変質し易いのです。時に行き過ぎるのですね。

そして、一方でこの執着は、非常にあてにならないものでもあります。
というのは、この世界は万物が絶えまなく変化する世界だからです。そんな流転する世界に住んでいる我々は、依存しようとする対象が、いかにあっけなく自分の望まないものに変化したり、消えてなくなってしまうことを日々経験しています。

情報やモノが溢れ帰り、環境変化のサイクルが高速化している今、私たちはその自己同一化し、幸福を追求するプロセスに疲れてしまった。(だからこそ「瞑想」とか「運動」とか推奨されているわけですが)

いくらモノや地位に執着しても全てが高速で変化する世界に住んでいる我々は、その自己同一化する対象が永続するものではないので、長続きする平安を得ることができないんです。

そこで解決策としてのミニマリズム登場

そこでアンチテーゼとして出てきたのがこの「ミニマリズム」と言う考え方であろうかと。物や地位など移ろいやすいものに自分を重ね合わせても、幸せはするっと逃げていく。

それならば、執着への対象の一番わかりやすい象徴である【モノ】を一切捨てよう。そして、強制的に執着する対象をなくすことで自分を空っぽにしつつ、変わりゆく世界の一瞬を体験することに価値を置いたらどうですか、という考え方。

それは、一種禅や瞑想の目指す世界と同じだろうと思うんです。ゼロになることで、心の平安を再確認する。それは、我々の心のなかに最初からあるもの。

モノへの執着を全部手放し、自分の心にスペースができたら、そのスペースからにじみ出てくる自分の中の平安や幸せを実感しつつ、変化そのものに逆らわず、一瞬一瞬を楽しめるようにしよう。これこそがミニマリストが究極的に欲している状態なのだと思います。

ファッションとしてのミニマリズムは、単に執着の対象が「捨てること」とそこに優越性を感じる自分へと移動しただけ

これに対して、一過性の流行りものとして「モノを捨てる」行動を取っている場合、「ミニマリスト」になった、あるいは「断捨離」に成功した自分自身に、無意識に自己同一化しているだけなんですね。未だに執着しているんです。

すると、捨てても捨てても心の平安はやって来ない。そこで、ものを捨てる幸せな自分>>>捨てられない不幸なみんなという線引をし、「ミニマリスト」としての「すごい自分」への新たな執着が始まってしまう。

それは、執着の対象がモノから【ミニマリスト】としての自己イメージに単に変わっただけなんだと思うんです。うわべだけでは何も解決していなかった・・・。

中途半端なミニマリストは、この構造を見透かされてしまうので、突っ込まれてしまうんでしょうね。結局ミニマリストって単に流行ものでしょ、、、幸せそうにしてるけど、結局優越感に浸ってるだけじゃん、みたいな。事件を起こした新興宗教が、構成員のエゴを満たすだけの危ない集団だったのと同じような目線で見られちゃうのです。

ファッションでやるなら、やめたほうがいい。どうせ生きている限り何かへの執着はなくせないものだし、自分のエゴに素直になってモノをガンガン追い求めたほうが、まだ素直で健全でしょう?あるいは、永平寺でも入って本質をもっと突き詰めろよ!というのが大方の有名ブロガーさんの有力な対案だったかと思います。

個人的なミニマリズムへの向き合い方

とは言え、かるびはミニマリストや断捨離の根本的な考え方は良いと思います。極端な生き方の中にも学ぶべき点は必ずある。

それは、シンプルに生きることで、幸せに近づけるということ。

家の中にモノが乱雑に散らかっているとやっぱり心は乱れますから(笑)実際、ここ2,3年ほど、定期的に物を捨ててきて、まだまだ家の中は汚いままではあるけれど、昔よりかなり落ち着いた家の中にはなってきました。これに伴い、心も確実に落ち着いてきたのを自分の中で実感として感じています。

けれど、根本的にはミニマリストにはなれそうもないです。なぜなら、欲しいものがいっぱいあるから(笑)あれもこれもほしい。体験したいという気持ちは、どうにも抑えることはできないし、現時点では、抑えないほうが良いと考えています。

「物欲は肯定するけれど、執着は極力なくして、一瞬一瞬の体験を意識的に楽しむ」

これを、ミニマリスト的な学びを取り入れた自分の今年のスタンスにしたいと思います。

結論

興味があるなら、ミニマリスト的なライフスタイルを試してみて、自分にフィットするかどうかで決めたらいいのではないかと思います。いい、悪いではなく、自分にとって実用的なのか、そうでないのか。

たとえ、ファッションとして取り入れても、他人に価値観を押し付けなければOKかと。一定の学びは必ず残りますから。

ただ、ミニマリストにしてもマキシマリストにしても、このモノが溢れかえった便利で安定した社会基盤の中でこそ取れるスタンスなので、豊かな物質生活を送れることそれ自体に感謝せんとなぁと思います。

それではまた。

かるび
 

美術館で心を豊かに!2016年上半期開催予定の西洋美術展6選(随時更新中!)

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かるび(@karub_imalive)です。

2016年度の目標として、せっかく東京に住んでいるのだから、美術館や博物館の展示会に行きまくろう!と決めています。

はてな古参ブロガーの在華坊さん(id:zaikabou)のブログで、数々の展覧会を回ったベスト10を挙げられていたり、(かるびは去年3つしか行ってない)

国立博物館等で、新年早々年間パスポートを更新されていたりとか、(存在も知らなかったです。勉強になった!)

こういうアグレッシブな姿勢を見てて、あ、せっかく都心に住んでるのに、展示会は逃しちゃもったいないな・・・と一念発起しました。

数年前にアラフォー世代になってから、今まで興味もなかったクラシック音楽のコンサートへ通ったり、美術館通いを始めたのですが、今年はそれを加速する年にしたいと思います。今年はマイ・ベスト美術展というエントリを書く予定なので、最低10個は行く!

さて、美術館の特別展は、いよいよ今週から本格スタートです。今日は、自分への備忘録も兼ねて、これは行っておきたいな~と思っている2016年上半期に開催される東京近辺の西洋美術展をまとめておきたいと思います。

あ、そうそう、自分も素人なので、素人が下世話な素人目線で、できるだけわかりやすく紹介してみました。間違ってたらお手数ですが優しく指摘してね(*^^*)

1,フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち(期待度★★★)

17世紀オランダを代表する二人の巨匠、フェルメールとレンブラントのダブル特集です。すでに京都市美術館で開催済みで、関西方面の方はチェックした人も多いかもしれません。フェルメール展はいつ行ってもハンパない人出なので、これは気合をいれねばー。

フェルメールとレンブラントって、年齢的には30歳差位あります。世代的には「父」「子」位ずれているのですが、時代は確実に共有していたはずなんです。お互い50km位近くに住んでいましたし、当時フェルメールは画商をやっていましたので、すでに首都アムステルダムで巨匠となっていたレンブラントのことを知らないはずはなかったと言われています。

見どころは、まず、フェルメールの『水差しを持つ女』

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フェルメール、光使い最強なのですが、1点注文が。・・・モデルがオバサンばっかりなのはなんでや~。

そして、レンブラントの『ベローナ』。

[フリー絵画素材] レンブラント・ファン・レイン - ベローナ (1633) ID:201304070100

これまた貴族のオバちゃんです。いいもん食べてたんでしょうね~。きっと補正ありでこの体型ですよ、このベローナおばちゃん((((;゚Д゚))))

 サブタイトルとして、「光のフェルメール、闇のレンブラント」だそうです。さしずめ今回は、光のおばさん、闇のおばさんがメインということですね。

また、もう一つ個人的に期待しているのが、レンブラントの自画像。レンブラントと言えば、なんといっても自画像。ぶっちゃけ全然イケメンではないのですが、若い時からオッサンになるまでとにかく沢山の自画像を残しているんです。今回もきっとオッサンになったレンブラントの自画像を拝めることでしょう(笑)

開催場所:森アーツセンターギャラリー
開催日時:2016年1月14日~3月31日
開催時間: 10:00~20:00 
※入館は閉館の30分前まで
※ただし、1月26日(火)、2月2日(火)、9日(火)、
16日(火)、23日(火)は17:00まで

HP:http://www.tbs.co.jp/vermeer2016/tokyo/outline/

 

2016/1/26追記:実際に行ってきました。もしよかったらこちらのレポートもどうぞ!

2,ボッティチェリ展(期待度★★★)

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何かしら毎年のように展示会をやっているボッティチェリ展ですが、今年もあるそうです。東京都美術館でもこの間やったばっかりのような。よほど儲かるのかな!しかし、今回は日伊国交150周年と銘打って、過去最大の点数がイタリア全土から集結するとのこと。ちょっと期待してます。

今回の目玉は、「ヴィーナスの誕生」・・・ではなくて、その同時代に描かれた上記の画像「聖母子(書物の聖母)」です。いつも思うんですが、マリアは必ず服を着ているのに、赤ちゃん=キリストかヨハネだけすっ裸で寒くないんだろうかと・・・。まぁいいや。

これも超混むんだろうな~。なんとか平日有給を取ってゆっくり見れるようにしたいと思います。

開催場所:東京都美術館
開催日時:2016年1月16日~4月3日
(月曜日・3月22日は休館)

開催時間: 9:30~17:30
※ただし、毎週金曜日は20時まで ※入館は閉館の30分前まで

HP:http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_botticelli.html

 

2016/1/26追記:実際に行ってきました。もしよかったらこちらのレポートもどうぞ!

 

3,レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の挑戦(期待度★★)

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なんと開催は江戸東京博物館。別名、バブルの館だかるびの家から徒歩で7分であります(笑)ここ、博物館の割には、特別展で美術系の特別展をしばしば開催します。確か数年前にもダ・ヴィンチ展を実際にやっているはずです。

今回も、博物館主催の美術展らしく、メインの展示物こそ上記の「糸車の聖母」(やっぱりママだけ服を着てる)ですが、有名な鏡文字(反転文字)での科学系の手稿なども出品されるみたいです。

ちなみにここ、常設展もなかなかの見応えがあります。東京の江戸下町風情を味わいたい人は、特別展を見終わったら行ってみるのも面白いですよ。

開催場所:江戸東京博物館
開催日時:2016年1月16日~4月10日
(月曜日・3月22日は休館)

開催時間: 9:30~17:30 
※ただし、毎週土曜日は19時30分まで 
※入館は閉館の30分前まで

HP:http://www.davinci2016.jp/outline.html

  

2016/1/26追記:実際に行ってきました。もしよかったらこちらのレポートもどうぞ!

 

4,カラヴァッジョ展(期待度★★★★★)

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こちらも日伊国交樹立150年を記念した展示会です。個人的には、上半期はこれが一番楽しみ。カラヴァッジョは、イタリア17世紀の写実派の巨匠なのですが、日本ではルネサンス期のダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロらに比べると、かなり知名度は低いです。

ただし、画力、作品は超一流。そして、単なる画家としてではなく、殺人犯としてローマを逃げ、イタリア各地を追われながら後半生で絵画を残していったという数奇な人生のストーリーも興味を引きます。

フェルメールやモネが「光」の魔術師と言われるならば、カラヴァッジョは「闇」の魔術師です。殺人犯として逃げ惑った暗い後半生では、特に暗闇に浮き上がる光使いで明暗をくっきりと描き出す独特の写実手法が大胆に使われます。ちなみに、彼の影響を受けた後世の画家たちのことを、「カラバッジョスキ」と言います。展示会では、展示点数水増しのためにフォロワーさんの絵も一緒に紹介されるでしょう。(海外では美術館の常套手段らしい・・・┐(´д`)┌ヤレヤレ

開催場所:国立西洋美術館
開催日時:2016年3月1日~6月12日
(月曜日・3月22日は休館)

開催時間: 9:30~17:30 
※入館は閉館の30分前まで
※ただし、毎週金曜日は20時まで
HP:http://caravaggio.jp/outline.html

 

5,ルノワール展(期待度★★★)

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こちらも毎年のように何かしら来てますが、今回はオルセー美術館、オランジュリー美術館所蔵の絵画群が来ます。今回の目玉は、上記の「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」今回が初来日だそうです。(なんかワインの銘柄みたいで噛みそう)

あれ、まだこれ日本に来たことないんだっけな?と思うくらい、あっちこっちで見るような気がします。特に、よく取引先が年末やお年賀にくれる月めくりカレンダーなんかの常連だったりするからでしょうか?

そうそう、ルノワールといえばお腹のたるんだ裸婦像。もし裸婦像などが展示してあったら、絵画の目の前に妻を連れて行って危機感を煽ろうと思います。

開催場所:国立新美術館
開催日時:2016年4月27日~8月22日
(火曜日は休館、ただし5/3、8/16は開館)

開催時間: 10:00~18:00 
※入館は閉館の30分前まで
※ただし、8/6、13、20は20時まで 
HP:http://renoir.exhn.jp/outline/

 

6,メアリー・カサット展(期待度★★★★)

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印象派大物の周りにいた名脇役っていますよね。メアリー・カサットは、そんな感じの、少しマイナーキャラです。アメリカで生まれ、フランスに渡った異色の経歴で、フランスではピサロに弟子入りしました。その後、印象派展のドンであるドガと知り合い、印象派界隈で活躍していくことになります。

それと、メアリー・カサットは、手元の文献等で予習する限り、子供の絵画での表情が独特で味わい深いんですよね。早く生で観たいです。

お、おぅ、、、こう書かれるとメチャ怪しいんだけど(笑)言いたいことはわかる(笑)

それにしても横浜美術館は、数年前に、同じく印象派脇役クラスのベルト・モリゾ展もやっていましたが、渋い展示会が多いです。平日に仕事が終わってからダッシュしても間に合わないのが厳しいところですね。

開催場所:横浜美術館
開催日時:2016年6月25日~9月11日
(木曜日は休館、8/11は開館)

開催時間: 10:00~18:00 
※入館は閉館の30分前まで

HP:http://cassatt2016.jp/

まとめ

自分への備忘録も兼ねて作ったので、ほぼ全部東京周辺での案件紹介となってしまいました。地方在住者の方には申し訳ありませんが、え、遠征してください・・・。

美術展で本モノを見ると、なんだかよくわからなかったとしても(僕がそうだから大丈夫!)心洗われるし本当におすすめです。できれば事前にググったり、図書館で入門本を借りてから行って、プラス500円を入り口で払って音声解説を付けると、より楽しくなります。

ほんこれ!!

美術展は、やっぱりなんだかんだで足を運んで、現場で見ると全然違います。フェルメールとかカラバッジョなど、繊細な光使いなら、なおさらです。デートにも使えるしな!是非行ける人は一つでも楽しいから、行ってみてください~。

ということで、美術展の話でした。

かるび

PS 更に下半期の詳細情報はこちらのまとめなんかがいいと思います~。下半期はダリ展が今のところ楽しみかな~。

PS こちらでは取り上げなかったんですが、総合展ながら、レベルの高い展示をしてくれている国立新美術館「大原美術館コレクション展」も良かったので、リンクを貼っておきます。もしよければ、覗いてみてくださいね。

 

京都だけで十分?それでも奈良に観光に来てほしい3つの理由

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かるび(@karub_imalive)です。

正月は、京都の実家にいつも帰省しています。・・・と言っても京都は最南端なので、奈良県県境まで50mしかない田舎なのです。

元々は両親が転勤族だったので、この実家、両親が仕事引退後、終の棲家として選んだ場所なのです。僕は、社会人になってから、この実家を拠点に何度も京都・奈良へ足を運び、観光に行きました。

最初は、絢爛豪華な巨大建造物や超有名寺社のある京都に目が行きました。それが一巡してからは奈良観光にも精を出しました。今はどちらかと言うと奈良8、京都2位で観光に行きます。

昔から、観光地としては、「京都・奈良」とひと括りにして語られることが多いですよね。ですが、特にここ数年は存在感や受け入れ体制、観光客数、全ての指標において、京都が奈良を圧倒しています。

京都市が作成した「平成26年・京都観光総合調査」を見てみましょう。年間観光客数、宿泊客数、外国人宿泊客数、観光消費額、どれをとっても平成26年度に過去最高値を叩き出しています。凄い。

そう、体感的にも、統計データ的にも、一昔前は京都≧奈良位だったのが、今は、
京都>>>>>>>>>奈良 
みたいな感じになってしまっています。

今日は、どうして奈良が京都に水を開けられてしまったのか簡単に触れてから、でも、それでも奈良に来るべき!3つの理由について、少し語ってみたいと思います。

1、奈良は観光地としてなぜイケてないのか(京都と比較)

1-1、京都vs奈良 観光客数の比較

もう、単純にグラフで見てもらいましょう。これが、ここ13年間の京都府、奈良県の年間観光客数推移となります。(縦軸:万人 横軸:年号)

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引用先:
京都府平成26年観光入込客数及び観光消費額調査結果概要
奈良県平成26年観光客動態調査報告書

ここ数年で、京都は観光客数を大きく伸ばしています。京都が平成14年の6,522万人/年から、平成26年度はなんと8,375万人/年へと、実に28.4%増えています。対して、奈良は平成22年の平城京遷都1300周年記念イヤー以外は、ほぼ10年前から観光客が横ばいになっているわけです。

1-2、ネット上での関心度も京都>奈良

Googleキーワードプランナーにて、月間検索数も調べてみました。すると、観光客数の傾向の通り、こちらも京都系の検索が奈良系の検索数を遥かに上回っています。

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1-3、京都が伸びている理由は、外国客を取り込めているから

少子高齢化が進行する中、京都の観光客受入が伸びている一つの理由は、外国客を取り込めているからです。こちらの朝日新聞の記事によると、アメリカの著名な雑誌で2年連続人気観光都市に選ばれたそうです。

米国の大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」が7日発表した読者投票型の人気観光都市ランキングで、京都市が2年連続で世界1位に選ばれた。京都市は2012年は9位、13年は5位と順位を上げ、昨年初めて1位になった。今回は首位を守った形で、人気が定着してきたと言えそうだ。(中略)同誌は主に北米の富裕層をターゲットにした雑誌で部数は100万部近く、世界的な影響力を持つ。ランキングは、風景や文化・芸術、食事などの項目の総合評価で決まる。

実際に、京都市が毎年作成している京都観光総合調査では、外国人宿泊客がここ数年すごい勢いで増えている統計データが記載されています。震災後わずか4年で3倍以上になりました。

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1-4、一方、奈良は外国人観光客対策が遅れがちになっている

 一方で、奈良の状況はどうでしょうか。外国人観光客自体は増えていることは増えています。が、奈良県外国人観光客実態調査(平成24年)によると、同調査でのアンケートにおいて、「渡航前に不足した奈良県に関する情報」という項目では、軒並み高いパーセンテージの観光客が、情報不足を感じていたというデータがあります。

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特に、交通手段や飲食店、宿泊施設や現地でのイベント情報等、大事な項目が渡航前に十分得られていないことがよくわかります。これじゃなかなか観光客を爆発的に呼びこむことは難しそうです。

1-5、奈良は外国人宿泊者を取り込めていない

上記理由があるからなのか、外国人は奈良は日帰りで訪問し、京都か大阪に宿泊する傾向のようですね。奈良市観光交流推進計画(PDF)によると、ちょっと古いデータで恐縮ですが、2006年度の大阪・京都・奈良の外国人客の動向についてまとめられています。

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外国人観光客の宿泊日数をみると、奈良市内で1泊以上宿泊する外国人観光客は約3割にとどまり、多くが日帰りで訪れていることがわかる。一方、京都市では約7割、大阪市では約8割の外国人観光客が宿泊しており、5泊以上滞在する観光客も約1割いる。 

ということは、奈良に行った外国人は、日帰りでささっと短時間でチェックした後、大阪か京都あたりの近隣県で宿泊していると言う推測ができそうです。

1-6、奈良は若い人にアピールできない街

若い人は、奈良では遊びません。大体京都か大阪、神戸に出てしまいます。なぜでしょうか?まず、奈良には1件もアウトレットやテーマパークのような大型アミューズメント施設がありません。ショッピングモールはイオン系を始め、いくつかありますが、街の中心部に美味しいお店やキレイなホテルもほとんどありません。
歴史的建造物や遺跡発掘による法規制もあり、街の開発も思うように進まない現実。
そして、商売っけのなさ。すぐにお店が閉まります。奈良市内の一番の繁華街でも、夜8時までにはシャッターがバッサリ降りてしまいますから。

1-7、そもそも奈良は宿泊客を収容するホテルの質も量も足りてない

外国人だけでなく、日本人にも日帰りされちゃうんですよね。他の都市に比べると、観光地なのに驚くほどホテルや旅館が少ないです。また、バラエティにも乏しく、老舗は老朽化しているところも多いです。

この記事によると、奈良のホテル数は全国ワーストだそうです。

これじゃ、日帰りにするか、他府県のホテルへ泊まるしかありませんよね。

1-8、日帰りばっかりだとお金も落としていかない

よって、遠方から来た観光客も、宿泊地は大阪か京都になっちゃいます。観光でお金を落としていくのは、やっぱり宿泊客がメイン。奈良県の平成26年度観光客動態調査報告書データでも、日帰り客は、宿泊客に比べると使うお金の量は約1/6にすぎませんから。

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こうして、なかなか観光やインバウンド需要を起爆剤にして街全体を盛り上げていくことがなんとなくできずにいるのが、今の奈良の現状です。

2、それでも奈良に観光に行くべき3つの理由

いろんな指標を見ていると、もう奈良はオワコンなの?!と思ってしまいがちですが、とんでもないです。上手く初回訪問客にアピールできてないだけなんですね。

ここからは、何度も何度も足を運んだ結果、僕が京都より奈良を推す、幾つかの理由を書いてみたいと思います。(ここからは急にデータではなく単なる感想になります/汗)

2-1、奈良は落ち着いて観光を回ることができる

京都は特にここ数年、慢性的に人が多すぎです。特に、紅葉シーズンは有名スポットなどは入るだけで2時間待ちとか普通にあります。ここはディズニーランドか!!と毒づきたくなるほどの人口密度。

それに対して、奈良はいい意味でも悪い意味でも人が少ないのです。観光中心地の東大寺や奈良公園あたりは、さすがに土日は混雑します。でも、中心地を少し外れたらすぐに静かになり、落ち着いて回ることができます。若草山で鹿と思う存分遊べます。

特に、平日などは国宝クラスや重要文化財クラスが収められているお堂を独り占め、、、なんてことは本当によくあります。なんとも言えない贅沢な空間を味わえますよ。正月三が日以外は、ゆったりしているのが奈良のいいところです。

2-2、いい意味で田舎な雰囲気がどこまでも漂う

京都に遷都されて以来、ついに現代中核都市へと発展出来なかった街、それが奈良です。未だに、奈良時代の古都を彷彿とさせるノスタルジックで牧歌的な風景がいくらでも広がっています。有名な写真家、入江泰吉は奈良を中心とした大和路の写真を多数残していますが、こういった作品を見ると納得できます。

京都がきちんと造られた美観を売りにするならば、奈良は、自然と共存した郷愁漂う枯れた美しさがあります。

お薦めは、山の辺の道散策。自転車や徒歩でぶらぶら1日中歴史に浸りながらフィールドワークができますよ。(※冬は朝晩かなり冷えるから防寒は必須)

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https://ja.wikipedia.org/wiki/user:663highland

2-3、歴史的建造物、資料は京都を凌駕する

歴オタ、歴女の方々ならわかって頂けると思いますが、奈良の歴史歴建造物や仏像などの文化財は、飛鳥時代や奈良時代に起源を発する物が腐るほどあります。神社仏閣の由緒書きを見ると普通に1200年~1400年前に建造されてたりしてて、京都とは古さのレベル感が違います。また、それに遡る古墳時代の王墓なども手付かずで残っていて、圧倒的な歴史の重みを感じられます。(すでに平成天皇の御陵も用意されている)

奈良駅から比較的アクセスしやすい中で、一つだけお薦めを書いておきます。若草山山麓にある新薬師寺が超絶お薦め。(薬師寺じゃないですよw)
新薬師寺の十二神将像は、絶対見て欲しい逸品です。夏でもヒンヤリとしたお堂で強烈なオーラに心震えますよ。

まとめ

マイナーだけど、凄い歴史を重ねた奈良の寺社にポツーンと一人で拝観していると、いつも思うこと。それは、これだけのコンテンツが埋もれ放題で正直もったいない!ということです。そして、「これは誰かに教えてあげたい!」と思ってしまいます。

宿泊、飲食、交通、外国人受入体勢、どれをとっても正直パッとせず、2045年のリニア開通まではまぁこんな感じで行くでしょう。でも、上記で書いたように、見るべき所は山程あります。是非奈良に遊びに来て、まったり、ゆったり旅を楽しんでもらえればなぁと思います。

ということで、今日は実家の地元推しネタでした。
それではまた。かるび@奈良推し

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https://ja.wikipedia.org/wiki/user:663highland

【西洋美術展】フェルメールとレンブラント展に行って来た感想

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かるび(@karub_imalive)です。

今日は、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで今日から開催となった西洋美術展、「フェルメールとレンブラント~17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」に行ってきました。その感想を書いてみたいと思います。

1,初日だけど混雑していませんでした

到着したのは夕方18時過ぎ。実に5年ぶりくらいにヒルズの中に足を踏み入れました。ウインドウショッピングには目もくれず、会場の六本木ヒルズ53Fの展示会場へ直行します。東京会場が初日なので、もっと並んでるのかな~と思いきや、まさかの待ち時間ゼロ。すんなり入れました。

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ただし、土日はかなりやっぱり混雑しそうです。朝一にでかけるなど、少しでも時間差で入れたほうがのんびり見ることができると思います。

2,展示会概要

17世紀のオランダ絵画全盛時代に活躍した画家達の、いわばオールスター展示会です。全48名、60枚の絵画が、ニューヨークメトロポリタン美術館、アムステルダム国立美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー(+個人所蔵いくつか)から集結しています。

一言先に苦言を呈すると、美術展タイトルである「フェルメールとレンブラント」が1枚ずつしかなかった件!いや、フェルメールが寡作なのは知ってましたが、1枚だけとは・・・T^T

せめてレンブラントを数枚取り寄せるとか、もうちょっと頑張って欲しかったです。集客上、大人の都合なんだろうな~。展示会タイトルに「フェルメール」って入っていたら人が集まりますからね。それだけ、しかし、さすがに本命が1枚ずつっていうのは美術展タイトルが独り歩きして誇張されすぎのような気がします。

が、サブタイトルどおり、「17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」という意味では、まさに総力を上げた特集であり、結果的には十分楽しめるものでした。

ちなみに、借りた音声ガイドは550円。玉木宏がガイド音声でした。玉木、落ち着いた声でなかなか渋かったです。

3,オランダ黄金時代に花開いた絵画文化とは

まず、オランダって17世紀に世界最強の覇権国だったってこと、皆さん知ってました?

かるびは、あまり良く知りませんでした・・・確か長崎の出島でケチケチ貿易してたってことくらいしか(汗)高校の時、世界史を選択履修しなかったつけが、今のこの無教養さにつながっているのです。

そんなオランダが一番強かった時、政治経済だけじゃなくて文化面でも中心地になりつつありました。しかし、当時のオランダは絵画文化的にはまだまだ新興国であり、ローマ時代からの蓄積があるイタリアには勝てません。

世界の覇権を握ったオランダからも、レンブラントの師匠である、ピーテル・ラストマンなど、沢山の画家の卵がイタリアに絵画の修行に行っていたそうです。

彼らは修行後に、オランダに帰ってイタリア仕込みの絵を量産しました。16世紀後半に活躍したイタリアの天才、カラバッジョの影響を強く受けた、いわゆる「カラバッジョスキ」達や、写実主義の伝統に則った沢山の絵師がオランダで活躍していました。

音声ガイドによると、17世紀は貴族や王族に代わって、富裕層を中心とした市民がこうした絵画文化を支えたそうです。各家庭で、こぞって絵画を購入し、家に飾って客人をもてなしたといいます。

覇権国なので、食糧事情などもよく、衣食住以外の趣味を持つ余裕が一般市井にも浸透していたんでしょうね。(実際、展示されていた人物画は、二重あごのデブが実に多かった・・・)

4,オランダ黄金時代の作品の特徴

16世紀より前のルネッサンス系の絵画などは、総じてみんな頭の上に天使のわっかが乗っかったキリスト教の聖人やローマ神話に基づいた宗教画ばかりですよね。もう何枚幼いイエスとヨハネの寒そうな裸を見たことか(笑)

この17世紀は、宗教革命の影響などもあり、オランダではプロテスタントが主流となりました。プロテスタントでは、イエスやマリアなどの聖人等の偶像崇拝を禁忌としたため、絵画からも聖人達は一掃されていきます。

代わって登場したのが、市民を描いた肖像画、果物や異国の品を描いた静物画、海戦や漁業の様子を描く海洋画、人々の日常風景や自然を描いた風景画などでした。描き手の数も多く、画家はそれぞれ得意とするジャンルを絞って、お客さんのために描いて生計を立てていたとのことです。(と、玉木が熱弁を振るってました)

5,特に印象に残った絵画を紹介します

写真撮影は全面禁止だったので、画像を何枚か貼り付けて紹介していきますね。全作品リストは、こちらからダウンロードできますよ。

5-1:アールベルト・カイプ「牛と羊飼いの少年のいる風景」

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まずこれ。カイプは、風景画のスペシャリストでした。中でもとにかく生涯ずっと牛ばかり描いており、まぁ大変な牛マニアであります(笑)

塩分を含んだ痩せた土地だった当時のオランダでは、農民は牛を使って必死に開墾し、労働手段だけでなく、その乳製品をカロリー源ともしていました。牛は富を生む繁栄の象徴で、聖なる生き物だったのですね。絵の需要もかなりあったそうです。この牛は、ちなみにホルスタインじゃないですね。ブラウンスイスかジャージー牛かな。

5-2:メインデルト・ホッベマ「水車小屋」

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カイプが牛職人なら、こちらのホッベマはさしずめ「水辺の建物」職人です。彼もまた、水辺の水車小屋や、池のほとりに建つ一軒家ばかり描いていました。代表作はこんな感じのばっかり。かるびは、水辺の絵を見ていると非常に落ち着きます。この絵も、田舎ののんびりした情景が目に浮かぶような、涼しそうな作品でした。

5-3:ピーテル・デ・ホーホ「女性と召使いのいる中庭」

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ホーホは街中や家の中の日常風景を得意としていました。例によって、彼は日常風景マニアなわけです。彼の作品群は、ほぼ全部日常風景に人物や動物が描かれるパターンで占められています。

この絵では、召使いが魚(なんかまずそう・・・)をさばこう?としている所を、後ろ向きの女主人がなにやら指示を出しているところです。女主人は後ろ向きなので顔が見えませんが、かなりデブふくよかで、裕福な家のようです。

5-4:フェルメール「水差しを持つ女」

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これがメインその1でした。入り口から40数枚の絵を見てから「まだかな~」と焦らしきったところで満を持しての登場でした。が、すごく小さい絵です。40センチ✕40センチ位の作品で、これは混雑時は背伸びしないと見えなそうだな~。

日本初上陸とのことですね。フェルメールは、絵の中で地図や本など小道具にこだわりを持って描くことで有名です。この作品でも詳細分析によると、背景の地図を何度も書替えたようです。

そして、藍色のスカートは、通称「フェルメール・ブルー」と言われる独特の色使い。当時、このラピス・ラズリの岩石を砕いて作った「ウルトラマリン」と呼ばれる青色の顔料は、他の顔料の100倍以上の値段がつくほど非常に高価だったそうです。フェルメールは、この独特の青色に夢中になり、金に糸目をつけずガンガン使いまくりました。

5-5:レンブラント「ベローナ」

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メインその2です。ちょうどオランダが神聖ローマ帝国からの独立交渉真っ最中であり、レンブラントもそれを意識してかローマ神話の戦いの女神「ベローナ」を描いたのでしょうか。・・・っていうか女神じゃなくて太ったオバちゃんじゃないですか?!

って、そう思ってるのは自分だけなのか??と思って心配になってツイッターで調べると・・・。

やっぱりどこにでもいそうなおばちゃんだよねぇ~(*´∀`*)

ものものしい鉄鎧に身を包んでいるにもかかわらず、このおばちゃんベローナの柔和で弛緩した表情が何とも対照的。美術館の照明を落とした暗がりだと、おばちゃんの顔が影の中に浮き上がり何ともいえませんでした(笑)ちなみに、この作品は少し離れた一からの鑑賞もおすすめです。離れて見ると、光陰のコントラストがハッキリ感じられますから。

まとめ

オランダの最盛期、絵画黄金時代に活躍した48名もの画家による全60点の絵画は、なかなか壮観でした。フェルメールは1枚しかなかったけど、それを埋めてくれるほどの充実ぶり。

100年もの間に、これだけのレベルの画家たちが同時期に大活躍したのは、流石に当時の大覇権国。宗教画ではない日常風景や人物、建築画など様々なジャンルでの職人芸を楽しむことができました。

特に、レンブラントとその仲間たちが多用した、薄暗い背景に、光がパッとあたったような明るい人物像は迫力がありました。そうそう、彼らが強い影響を受けたイタリアのカラバッジョですが、3月から東京で展示会があります!このエントリで触れてますので、もし良かったら見てください!

見終わった後は、同フロア(ヒルズ53F)の展望台から見える景色もキレイですよ。素人の自分にしてはまずまずいい写真が撮れた^_^

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それではまた。
かるび

PS1、「フェルメールとレンブラント展」の公式Webとtwitterです。

公式Webサイト

フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展|TBSテレビ

公式Twitter

フェルメールとレンブラント展(東京) (@vermeer20152016) | Twitter

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PS2、フェルメールとレンブラントをまとめて予習する本もあります。かるびはこちらをある程度読み込んでから展示会に参加しました。

えりちん「描かないマンガ家」を一気読みした感想。先延ばしするとこうなる!

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かるび(@karub_imalive)です。

前作「みたむらくん」がヒットしたギャグ漫画家、えりちんによるヤングアニマル誌第2弾作品、「描かないマンガ家」全7巻を一気読みしました。

これが、非常に面白かった。それだけじゃなくて、個人的に非常に心に刺さる教訓を含んだ漫画でした。今日は、その感想を少し書いてみたいと思います。感想というより後半から自分語りになっている点と、構成上、少しだけネタバレがあるのでご注意ください。

1,異色のマンガ家ものマンガ

このジャンル、古くは藤子不二雄の「まんが道」や最近だと大場つぐみ/小畑健「バクマン」ハロルド作石「RiN」など色々ありますよね。これら漫画家マンガは、通常は、最終目標が、厳しい競争や試練を乗り越えてプロ漫画家として大成することです。よって、主人公がマンガ家としての成功を目指して努力する、切磋琢磨する、という割とストレートで前向きなテーマで描かれることが多いですよね。

この「描かないマンガ家」はそれら通常の漫画家マンガとは対照的なストーリーです。タイトル通り、主人公がひたすらマンガを描かない漫画家漫画なのです。あの手この手で結局描かずにお茶を濁すという・・・。その斬新さがツボにはまり、1巻から一気にその日のうちに通読してしまいました。

2,あらすじ

前半3巻終わりまでは、主にギャグ漫画として、マンガ家「ワナビー」としてのマンガ専門学校に通う主人公とその仲間のドタバタ劇を描きます。そして、4巻頃から、少しずつストーリーが動き出します。プロマンガ編として、一転してシリアスな展開になっていきます。

出だしはこんな感じ。主人公は、第3のマンガ家=描かないマンガ家、渡部勇大26歳(ペンネーム:器根田 刃)。

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 主人公は、自称、漫画家。通っているマンガ専門学校で課題が出ようが、友人が漫画家にデビューして先を越していこうが、夜な夜なファミレスでダメ友人たちとくだらない評論ばかりして、ちっとも描こうとしません。

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第1話から、小沢くんという仲間が、唐突に専門学校を辞めます。クラスからのマンガ家デビューが決まったのです。これに対して、「これくらいなら俺だって描けるよ」とか「プロは甘くないんだから・・・」となんだかんだ自分に言い訳をしてやり過ごしました。

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 それでも、仲間からマンガの進捗状況を聞かれると、少しは危機感を覚えて、何度かは机には向かうのですが・・・

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 結局は、やっぱり些細な日常事に気を取られ、マンガを描かないのでした(笑)ブログを更新しているというのがブロガーとしては何とも(笑)

f:id:hisatsugu79:20160116084800j:plainあるいは、もっともそうな言い訳をして、やっぱり描きません。

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こういったギャグ漫画テイストが、大体3巻位まで続きます。これだけダメキャラなのに、同期の女子仲間からはなぜか不思議と一目置かれていたり、まぁまぁモテたりっていうのは読み手を微妙に安心させる設定でもあります(笑)

しかし、4巻に入り、だんだん流れはシリアスになっていきます。月日は流れるうちに、専門学校の仲間たちは、描こうともしない主人公とは対照的に、みんな漫画家や専門家として結果を出し始めます。主人公の器根田、あせります。

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このあたりは、結構共感できる人も多いのではないかなと思います。やるのかやらないのか、うだうだしているうちに、仲間にどんどん先を越されて焦った思い出って、一つくらいはあったりしませんか?かるびは、いっぱいあります。故にこの漫画は心が痛い・・・

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そして、最後に主人公がどうなってしまうのかは、最終巻まで是非読んでみてください。サクセスストーリーでよくあるような派手な大逆転劇ではありませんが、土壇場で自分の愚かさに気づき、プライドを捨ててマンガに取り組み始めます。これが、実に物語が終わる3話前だという(笑)

これ以上はネタバレになるので、割愛~。

3,そういえばブログはじめるのに12年もかかった

そう、この漫画、自分にとっては結構痛い急所をついてくるマンガなのです。それは何かって言うと、自分の一番悪い欠点「何でも決断を先延ばしにすること」を見せられているようだからです。

例を挙げてみます。たとえば、このブログ「あいむあらいぶ」開設のことです。「ブロブ、始めてみようかな」、と思い立ってから、実に12年越しでようやく行動に移したのです。

少し昔の話をさせてください。かるびはもともと20代前半のころからインターネットが大好きで、2ch全盛時代や「侍魂」「ちゆ12歳」といったテキストサイト時代から、ひたすら「読み手」としてインターネット文化に触れてきました。故に、インターネットは本当に大好きなんです。

20代後半の頃は趣味の「ヘヴィメタル」「ハードロック」でネットの掲示板にかなり頻繁に出入りしたり、オフ会に出たり、CDレビューを有力なサイトに寄稿してたりもしました。28歳の時の結婚式にはネットで親しくしていたメタラーさんを10名ほど招待したくらいですから。

その際に、ネットで知り合った複数のメタラーさんから、「かるびもホームページ作ったらいいのに」と言われていました。やれば、ある程度は趣味ならコンテンツを出せる自信はあったのですが、結局やらずじまいでした。

勇気がなかったり、面倒だったり。「仕事が忙しいからまたあとで」とか自分にもっともらしい言い訳をしてたのですね。 

その後、2012年頃はFacebookにはまりました。こちらも半年ほどやりこんで、Facebook上でも友人が沢山出来ました。1000人弱位?この時も、親しくしていたFacebook仲間から、投稿がまぁまぁ面白いし、ブログ開設しないの?開設したら儲かるよと言われました。しかし、これも上記と同様の理由で結局やらず。

そして、迎えた2015年。40歳になりました。キリのいい大台というやつです。これをきっかけに、「え?もう40歳?人生早すぎ」と、自分自身衝撃を受けてしまったんですね。40歳といえば、もう折り返し地点です。(人生80年ならね)

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なんか、さほどやりたくない、つまらない仕事ばっかりして、やりたいことは先延ばしの人生で・・・。それで、本当にいいのかな?!と。30歳の大台になった時は「まだまだ、ふーん」と思っていたのですが、40歳の節目を迎え、急にかなり焦りを感じてしまいました。やっとリアルに自分のいけてなさを実感したんです。

恐らく、ここで何もしなけりゃもうダメになってしまいそうだ、と思い、ええい!と勢いで会社の退職とブログ開設を同時に決意しました。まぁ退職はおまけです(笑)

ということで、「ああ、やってみたいな」と思ってから、実際にブログ開設するまでに、うだうだしていた期間があまりにも長かった。干支が一回りしました。我ながら、優柔不断でイケてなかったと思います。

まとめ

このマンガの主人公、器根田刃も、心の奥底ではマンガを描き、プロマンガ家になりたいはずでした。しかし、つまらないプライドや怠慢、傲慢、恐れから、ひたすら自分にその場その場で言い訳をして、マンガを描かずにずるずる3年近く経過し、29歳に。

でもね、こういうのって、とにかく最初の一歩を踏み出すのが大事なんですよね。一旦描き始めてしまえば、その過程でさらにつらいことは起こりえるけれど、やっているときは夢中なので、結構どうとでもなるものですよね。やるだけですから。主人公の器根田も、最終的には36歳で漫画家デビューすることになります。そういう意味では、なんとかギリギリハッピーエンドでした。

かるびも、12年間うだうだした割には、昨年9月下旬にブログを開設してからは、遅筆ではあるものの、ここまでなんとか3ヶ月半継続することができています。

しんどい時や、失敗する恐れなんかも常にありますが、その恐れすらも抱いたまま、目的地まで飛び続けることが何よりも大事なんだなと、実感できました。

この漫画は、純粋にギャグ漫画として楽しむこともできますが、かるびにとっては非常に重たい問いを改めて問いかけてくれた、非常に学びの多いマンガでした。

優柔不断で、やりたいことを先延ばしにするクセのある人は、これを読むと目が覚めるきっかけになるかもしれませんね。

それではまた。

かるび

まとめ買いがお薦め!(かるびは一気読みでした!)

【美術展】ボッティチェリ展の感想~過去最大点数が集結!すごく良かった!~

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かるび(@karub_imalive)です。

今年は美術展をガツガツ回ると年始に決めてます。先日、早速新年1つ目として「フェルメールとレンブラント展」に行ってきました。そのレビューは、こちらに上げたばかりです。

1月は、これと、ダ・ヴィンチ展、本エントリで取り上げる「ボッティチェリ展」と大型の西洋美術展が東京でほぼ同時にスタートとなりました。今日は、ボッティチェリ展の感想を描いてみたいと思います。

1,ボッティチェリ展の概要

上野の東京都美術館でただいま開催中です。

開催場所:東京都美術館
開催日時:2016年1月16日~4月3日
(月曜日・3月22日は休館)
開催時間: 9:30~17:30
※ただし、毎週金曜日は20時まで ※入館は閉館の30分前まで
HP:http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_botticelli.html
Twitter:https://twitter.com/Botticelli2016

公式Twitterをフォローしておくと、混雑状況やイベント状況がわかりやすいと思いますのでお薦め。

2,気になる混雑状況は?

混雑するのが嫌だったので、前売券をネットで予め購入しておき、公開日の開館時間に行ってきました。さすがに朝だからなのか、入場制限等は特になく、スムーズに入れましたよ。これはチケット売り場。全然並んでいませんね。

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入口前もこの通り。待ち時間もゼロ分です。

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ただし、午後はかなり混んでいたみたい。やっぱり狙い目は平日か、土日の午前中朝一がいいでしょう。

3,展示会概要

今回のボッティチェリ展は、日伊修好通商条約締結150年記念と銘打って、世界中からボッティチェリの作品を集めた、かなり強力な大回顧展となっています。主にフィーチャーされたのは、まず、ボッティチェリ。そしてその師匠であるフィリッポ・リッピ。さらには、師匠の息子であり、かつボッティチェリの弟子でもあったフィリッピーノ・リッピこの3人の絵画が時系列で紹介されていきます。

作品リストは、こちらからダウンロードできますよ。

4,ボッティチェリが活躍した時代背景など

ボッティチェリとその師匠/弟子が活躍した年代は、メディチ家が権勢を誇った16世紀後半のイタリア、フィレンツェでした。ちょうどダ・ヴィンチ、ミケランジェロあたりの超大物と同時代です。

ちなみに、「ボッティチェリ」と言う名前はアダ名だそうです。4人兄弟の長兄、ジョヴァンニが大酒飲みだったそうで、末弟だった彼は「小さな樽(ボッティチェロ)」と呼ばれていたので、そのままそれを通名で通したようです。

本美術展を見るにあたり抑えておくと便利な知識は以下の2点です。

4-1:芸術家の最大のお客は貴族や宗教家だった

当時の芸術家達の最大のパトロンは、メディチ家や教会などの政治家、宗教家でした。作品は、いわゆる今で言う請負受託開発体制。彼らからのオーダーを受け、初めて仕事が始まります。著名な芸術家を親方=社長とした徒弟制度の下で経営される工房単位で宗教画、壁画、肖像画、彫刻などを納品する体制でした。たまに下請けの工房にも仕事を出していたそうです。今も昔も、そのあたりの商慣行は変わっていませんね~。

4-2:政治体制が変わると作風が変化していく(せざるを得なかった)

ボッティチェリの駆け出し期~円熟期までは、権勢を誇ったメディチ家の芸術家庇護方針の下、必ずしもキリスト教義に基づかない、自由で開放的な雰囲気の傑作を生み出しました。異教徒の神話に基づく「ヴィーナスの誕生「プリマヴェーラ」などの傑作はこの時期ですね。

15世紀後半にメディチ家が失脚・追放されます。一転して宗教家、サヴォナボーラによる神権政治が始まると、ボッティチェリたちの作風もトーンが抑えめで宗教色を強めていくことになります。残念ながらボッティチェリ晩年の仕事は少し気が抜けている物が多いような・・・(素人目に見ても少しわかるくらい・・・)

5,特に印象に残った絵画を紹介するよ

5-1:ラーマ家の東方三博士の礼拝

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引用元:東京都美術館 ボッティチェリ展特設ページより

まずこれ。ボッティチェリが、メディチ家の仲買人をしていたラーマ家よりオーダーされて制作した、キリスト教で有名なモチーフ、「東方三博士の礼拝」です。これがボッティチェリの出世作になりました。

Salvastyle.comサンドロ・ボッティチェリ-「東方三博士の礼拝」解説ページ

こちらのサイトで詳述されていますが、この絵画、タニマチへ媚びまくってます(笑)メディチ家の先祖代々オールスターが絵画中にに登場してます。本人も画面右端でこっち向いてます。もっとイケメンに描けばいいのに(笑)

5-2:美しいシモネッタの肖像

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引用元:東京都美術館 ボッティチェリ展特設ページより

当時、貴族たちの間で絶世の美女と歌われたシモネッタ。15歳で貴族の人妻になって社交界にデビューしてから、瞬く間に大人気になりました。貴族ってロリコンばっかりなんだろうか・・・。人妻なのにメディチ家のパーティに駆りだされたり、画家のモデルになったり大人気でした。

なんで横顔なんだ!正面が観たい!と思ったのですが、当時は「横顔像」が一斉を風靡していたそうです。

 

そして、これが少し年をとったあとのその2です。少し老けましたかね?

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5-3:ボッティチェリ「聖母子(書物の聖母)」

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引用元:東京都美術館 ボッティチェリ展特設ページより

今回は、これが一押しです。この聖母=マリアが赤ちゃんのイエスをだっこしている構図は鉄板ですね。みんなメジャー画家はなんだかんだでこの構図でヒット飛ばしてますよね。ボッティチェリも全盛期にこれを描いていて、今回、目の前でみたらオーラが凄かったです。青の部分は、フェルメールも愛用したという高価な顔料、ラビス・ラズリがふんだんに使われています。

5-4:ボッティチェリ「誹謗」

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引用元:http://art.pro.tok2.com/B/Botticelli/vv036.htm

ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」もそうですが、1枚の絵の中に、ユニークな姿勢で沢山の人が言い争っているような構図の絵って、この時代特有だと思います。人々の気持ちや感情の揺れを、こうしてオーバーアクションな姿勢や身振り、手つきなどで表現したのでしょうね。非常に人間的で好きです。

この絵は、古代ギリシャのアペレスが描いた同名のタイトルを、ボッティチェリが復元したものです。画面の各人物は、擬人化された人間の感情を表現しています。これも、当日現場で生の絵を見た時に非常に迫力がありました。

5-5:フィリッピーノ・リッピ「聖母子と聖ステファヌス、洗礼者聖ヨハネ」

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引用元:『ボッティチェリ展』聖母子の画像 - turblog...I hope too -

最後に、ボッティチェリ以外で1枚ピックアップしておきますね。ボッティチェリの弟子、フィリッピーノ・リッピが最晩年に残した渾身の一枚です。

フィリッピーノは、ボッティチェリの師匠の息子であり、ボッティチェリの弟子でもあります。ボッティチェリの弟子としてキャリアをスタートさせましたが、1490年代以後はフィレンツェ画壇のエースへと成長します。

宗教画に傾倒したせいか、制作が停滞しクオリティの下がった晩年のボッティチェリに代わり、キャリア中期以降は独自性も打ちたて、円熟していきます。

初期作品は、師であるボッティチェリの劣化コピー的な作品にとどまっていましたが、キャリア中期~後期では、見応えのある作品が多くなります。

この1枚は、トーンが非常に落ち着き、枯れた色合いの中に、非常に丁寧に描き込まれた写実性が際立っていました。展示フロアの中でも、完全にボッティチェリ作品を食っていました。

6,まとめ

このボッティチェリ展は当たりです。西洋美術展に興味がある人は、絶対行くべき!20点以上のボッティチェリの作品が一同に会して展示される威容は見応え抜群でした。普通、巨匠の作品って多くても数点レベルで、そこにだけ黒山の人だかりができる・・・というパターンの展示会が多いですが、本展示会では、ボッティチェリの作品が多数展示されており、圧巻でした。「プリマヴェーラ」「ヴィーナスの誕生」のどちらかが来ていればパーフェクトだったと思います。

また、ボッティチェリの晩年の作品は、なんとなくですがイケてませんでした(爆)わざとでしょうが、構図が変だったり、人物に躍動感が感じられなかったり・・・。

それに代わり、ボッティチェリの弟子であり、ライバルに成長したというフィリッピーノ・リッピの確かな腕前と気品ある作品群が予想外に良かったです。にわかファンなので、メジャーどころしか知らない自分には非常に世界が広がり、勉強になりました。

7,おまけ:こんなエントリもあります

また、2016年度で、東京圏にて開催される西洋美術展について、これ行きたいなーというのをまとめてあります。こちらも、お役に立てれば是非。 

また、同時期に開催された展示会2つも合わせて載せておきますね。1日に幾つかはしごするのもいいと思います!

それではまた。

かるび

 

大雪が降ったら勇気を持って会社を休もうよ?~また豪雪で消耗した首都圏民~

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かるび(@karub_imalive)です。

1月18日の大雪は、またも首都圏の朝の通勤ラッシュを直撃しましたね。

あれから3日経過し、すでに都心部では雪は全て消えてしまいました。今回の雪害では、幸いにも一人も死者が出ず、被害は軽くすみました。とは言え、年々大雪時の混乱が拡大しているような気がします。いい機会なので、少し「首都圏の雪害」についてまとめてみることにしました。例によって長文ですが、もしよければお付き合いください。

0,今回の1月18日の首都圏大雪を振り返る

かるびは職住近接なので電車を使わず、徒歩で会社に行ける距離に住んでいます。大雪や台風などの天候不順時でも、基本的には問題なく会社にいけてしまう、クソッるのです。

1月18日も、「あーあ、どうせ今日は仕事にならないんだろうなぁ」としぶしぶ出勤してみると、朝9時の始業時間までにオフィスにいたメンバーはわずか5名(内勤者約40名中)「前日から雪が降るってわかってたのになんでみんな遅刻するんだ!」と同じく徒歩通勤の事業部長さんがお怒りでした(笑)いや、無理やろ・・・

1,ここ最近、首都圏はさらに大雪に弱くなっている?

しかし、最近特にここ数年、首都圏は大雪に弱くなったと思いませんか?年に1~2度大雪に降られるたびに、確実に半日程度は通常業務がストップするくらい、ビジネスが停滞します。

そこで、近くの深川図書館に行って、確認してみることにしました。朝日新聞縮刷版で過去5年分の縮刷版をチェックします。すると、新聞紙面で社会面含め、大見出しつきで首都圏の大雪ニュースが掲載されたのが10回ありました。

うち、影響が特に大きかったのは2012年1月23日、2013年1月14日、2014年2月7日、2014年2月14日、そして今回の2016年1月18日の5回。つまりここ数年は、1年に1回はやられているということ・・・。特に2014年2月14日の大雪は、数十年に1度の大規模雪害となり、約1週間に渡って首都圏だけでなく、日本列島全体の物流網が麻痺するほどの甚大な被害となりました。

ニュースでは、特に大雪によって、鉄道網・道路網が機能しなくなることが大きくクローズアップされていました。よって、以降は、この2点を掘り下げていきたいと思います。

2,首都圏が大雪に弱い理由を考える(鉄道編)

2-1:直通運転で1箇所の遅れが広範囲に影響する

ここ数年で、JR、各私鉄での相互乗り入れでの直通運転が増えました。通常時は確実に便利になりましたが、ダイヤが過密になる時間帯では、雪が降らなくても、すこし雨が降った、とか誰かが飛び込んだ・・・とかで、運転の遅れが目立つようになってきています。例えばこれ。

通常時でさえ、遅れが増大しているため、台風や豪雪時などの災害時はもう全然ダメになってしまうわけですね。

2-2:融雪/除雪設備が整備途上にある首都圏各鉄道会社

鉄道運行にとって、最大のボトルネックがレール接合部の「ポイント」と呼ばれる装置です。まず、大雪が降るとこの「ポイント」部分の雪が溶かせなかったり、「ポイント」装置が故障します。

実は、2013年の段階で小田急電鉄、東武鉄道、東武鉄道、JR東日本などは、独自に電気融雪や火力での融雪装置を導入しており、ここ最近、一定の効果は出始めているんです。実際に稼働している動画を見ると、対策はある程度は進んでいるんだな、と確認はできます。(火が出てる!)

youtu.be

しかし、首都圏にポイントは約3900箇所あるといいます。まだまだ対策ができていない鉄道会社もあるわけです。(引用元:首都圏の鉄道の「大雪対策」が北国並みにできない理由 | ハーバービジネスオンライン

今回の1月18日の大雪では、対策ができていなかったJR中央線、西武鉄道、京浜急行で少なくともポイント故障があり、一時期完全に輸送がストップしてしまいました。

2-3:間引き運転で輸送力大幅低下

ポイントへの融雪装置の導入で、完全に運行中止にはなりづらくなってきています。しかし線路自体は依然滑りやすくなっていますので、結局は運行速度を落とし、間引き運転をするしかなくなります。朝の首都圏過密ダイヤで、間引き運転をすると、どうなるか・・・。必然的にホームに人が溢れ、入場制限をするしかなくなります。

また、ノロノロ運転で前が詰まっちゃうので、こんな感じになっちゃうわけです。(鉄道ファンには面白い構図?!)

すぐ近くまで電車は来てるのに、来た電車にはすでに人が満員入っていて乗れないという・・・。これでは、どうしようもないですね。

2-4:倒木や雪の重みで架線が切断される

雪の重みで倒れた木が、鉄道の架線を切断するケースもよくあります。今回も確認されているだけで、倒木による架線切断が京王相模原線、東武東上線、JR川越線で発生。また、中央線では雪自体の重みで架線が切れました。京王線は、車庫近くの架線だったため、車両自体が車庫から出られなかったという不運も・・・

各社も、線路沿線の木を除去するなど対策はしていますが、首都圏で雪が降った場合、水分を多く含んだ湿雪になり、かなりの重量になってしまうため、対策が難しいようです。

3,首都圏が大雪に弱い理由を考える(道路編)

大雪が降ると、電車だけでなく、高速道路や一般道もかなりの影響を受けます。2014年の2回目の大雪時は、東名高速上り線で40キロの大渋滞になりました。

電車だけでなく、道路交通網も大打撃となるのが首都圏の特徴です。なぜそうなってしまうんでしょうか?

3-1:高速道路はすぐに通行止めになりやすい

首都圏の高速道路は、融雪・除雪装置が貧弱な上、利用者側がタイヤチェーンを普段から携行してなかったりスタッドレスタイヤの装着が間に合わないため、大雪時は極端に利用が減ります。交通量の減った高速道路にはあっという間に雪がたまり、結果としてあっという間に通行止めになってしまうようです。

3-2:特に、首都高は排水設備がなく、凍結しやすい

さらに、首都高は大雪が降った際に、その雪を逃がすための排水設備がありません。よって、降った雪は全部道路の上にたまるので、除雪車が雪を集めて、高架道路外へ排雪する必要があります。そして、溶けたら溶けたで洪水にもなります。

こうして、全線のかなりの部分が高架道路である首都高(特にC1)は、大雪時には雪が排雪しきれず、雪と水が混ざった状態でたまります。すると、たまった雪はそのまま翌日から凍結し、通行止め状態が長く続く・・・という悪循環があります。

3-3:雪装備が薄くて、商用車が立ち往生

大雪の日は、さすがに私用での車利用者は減りますが、それでも社用・商用等でどうしても移動しなければならない人は、ノーマルタイヤで無理をします。結果、甘く見すぎていて高速道路上で立ち往生 する車が続出。

これは、2013年大雪時のまとめですが、こうなってしまうと、車線は塞ぐは除雪の妨げになるわで、より状況が悪化してしまうわけです。

4,東京都や国の対策は・・・?

ここまで見てきたように、首都圏では、一度大雪が降ったら、交通網にかなりのダメージを与えることがわかりました。年に1回~2回レベルとは言え、交通網がこれだけ混乱してしまえば、前後数日間は経済的にも社会的にもかなりの損失や混乱を招くわけです。

にも関わらず、首都圏の雪害では対策は後回し、、、というか殆どなされていないのが現状です。震災や風水害への防災対策は、国レベル・都道府県レベルでかなり充実してきているのとは好対照ですね。

国の雪害対策をみてみましょう。内閣府で取りまとめられている「防災基本計画」の雪害対策ページを見ると、現状は豪雪地帯への対策は進んできているものの、首都圏・大都市圏での対策についてはほぼ言及されていません。

また、東京都の防災対策ページでも、風水害対策・震災対策については触れられていますが、雪害対策については基本的な方針も掲載されていない状況です。市町村レベルで見ると、ようやく対策を打っている自治体がちらほら出始めます。(大雪時の被害が深刻化しやすい多摩地区の町田市「町田市地域防災計画」など・・・)

5,結局、首都圏での大雪時は自分で身を守るしかない

国や都道府県レベルでの対策があてにならないことはわかりました。したがって、大雪時は、自分で身を守るしかないということでしょう。

とにかく、一番の対策としては、大雪時は車でも電車でも「家の外に出ない」につきます。電車に乗ろうとしても、間引き運転と入場制限でヘタしたら半日程度寒い中で立ち尽くさなければなりません。だからといって車で出勤しようにも、チェーンもなければ、立ち往生している車だらけで渋滞していて、まともに動くこともできません。

少し前に話題になった東京都が各家庭に配布した防災対策本、「東京防災」の雪害対策ページ(P158-P159)にも、とにかく外出しない、車には乗らない、と手堅くまとめられています。

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6,勇気を持って会社を休んでしまおう。

だったら、会社を思い切って休みにしちゃいませんか。抵抗あるなら、せめて半休を。

いや、そうは言ってもズル休みはいかん!とか、会社から自宅待機指示が出てなければ行かなきゃ!と直感的には考えてしまうかもしれません。

でも、どうせ行ってもミーティングは中止、顧客訪問も延期になります。急ぎのメールを打っても相手からの返事はありません。

「前もってわかっているなら早く自宅を出ろ!」という前時代的な事を言う上司もいるかもしれませんが、いかに早く出ても遅刻する確率は極めて高く、ただ駅で立ち尽くして消耗するわけです。人口密度の高いところにいて、誰かから風邪をうつされるかもしれませんしね。

仮に、たまたま早くたどりついて上司にアピールしたとしても、仕事の生産性は上がらないので、やはり割に合わない虚しい努力になるわけです。

急ぎの用事がないのなら、思い切って休みをとりましょう。可能なら自宅で仕事をして、無理なら思い切って体を休める。会社には「電車が止まって行けません」「ノーマルタイヤしかないので出勤できません」と連絡すればいいわけです。

自分が休むことで、どうしても出勤しないといけない緊急性の高い人のみスムーズに優先して行かせられるようにする。こうすることで、自分にとっても社会全体にとってもプラスになるのではないかなと思います。

7,まとめ

年に数度の首都圏を直撃する大雪。現状は、各公共機関や地方自治体レベルでの散発的かつ自主的な取り組みしか用意されておらず、自分自身で自衛するしかありません。

かるびも、社会人になった頃、熱血上司から「這ってでも出てこい」とよく言われたものですが、もうそんな時代ではありませんよね。大雪時で交通機関が麻痺したら、スパっと休む。回復したらその時に家を出る。それで十分なのではないかなと思います。

それではまた。

かるび


政府インターネットテレビって知ってますか?~これはアカンやつや?!~

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かるび(@karub_imalive)です。

別のエントリーでインフルエンザのネタを書こうかな?と思っていたら、偶然たどり着いて見つけた「政府インターネットテレビ」。

また宣伝下手な政府がこんなのやってるよ~、と生暖かくチラ見していたのですが、意外にこれ使えそうだぞ?!ということで、今日はこれを少し紹介してみたいと思います。

政府インターネットテレビとは

かるびも最近その存在を知りました。Wikipediaによると、2005年の小泉政権の時代に立ち上げられました。内閣や首相官邸の動きを中心として、各官公庁も含めた政府広報を動画で伝えるためのメディアという位置づけです。

小泉総理といえば、当時からメルマガなども書いていて、ネット系のメディア活用に熱心でしたよね。このインターネットテレビ、今は割と自然なサイト構成になりましたが、昔始まった時は、テレビ画面を無理に模した超ダサいデザインでした(笑)

これです。どどーん。
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「政府インターネットテレビ」11月10日開始 - ITmedia ニュースより

時代性を感じさせるデザインであります。当時はそれほど違和感なかったのだろうか。そして、今はこんな感じ。まぁ洗練されましたかね。

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結構お金かかってる感じです

2005年からもう10年以上運営されていることもあり、安定して淡々とコンテンツがアップされている感じ。でもメンテもきちんとされています。ちゃんと時勢に合わない古い記事は下げられていて、大部分はアップ後1年以内の新しいものばかりです。

短いCMみたいなものもありますが、中には20分位の長編から、なんとオリジナルアニメまであり、結構お金がかかっているように見受けます。

ちょっと面白かったのは、民放の売れっ子キャスターだった徳光和夫、木佐彩子をホストにしたシリーズ物、「徳光・木佐の知りたいニッポン」です。たとえば、この振り込め詐欺啓蒙コンテンツ。

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政府系なのに、なんとも言えない微妙な掛け合いが笑えます。ニコ動だと弾幕必死です。

徳光「なんで騙されるのかねぇ」
木佐「徳光さん、自信ありますか?」
徳光「自信ある。僕はありますよ」
木佐「こういう人が一番危ないんですって」←←←(おぅいきなり突っ込むな)
徳光「そうかい?かみさんはずいぶん騙してますよ」←←←(ええっ?)
木佐「あっはははははっははははは」←←←(政府番組なのに爆笑ww)
木佐奥さんはいいんです」←←←(いいんかい?!)
徳光「奥さんはいいんです(小声)」
木佐「奥さんはいいんですけどねぇ~。(以下略)」

・・・なにこのゆるい展開。

で、これであとはコンテンツに入って行きます。この番組は、旬の話題「振り込め詐欺」についての動画での教育・啓蒙コンテンツが20分間で的確にまとまっていました。さぁ、これで終わりなのかなと思っていたら、最後に徳光さんらしい微笑ましい仕掛けも・・・。

木佐「はい。さぁ、今日の最後の一句をお願いします」
徳光「(フリップをおもむろに取り出す・・・)」

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徳光「(振り込め詐欺犯に向けて)信じるを 知らずに終える サギ人生」

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何が始まるのかと思ったら、いきなりフリップを取り出して、川柳なのか俳句なのかオチがよくわからない微妙な一句で締めとなりました。

と言った具合に、妙なサービス精神で、できるだけ親しみやすいコンテンツづくりも心がけてはいるみたいです。

だけどやっぱり少し残念な感じも

政府系コンテンツなので、あまりやりすぎると「民業圧迫だ!」と批判も飛んで来るのでプロモーションがやりづらいのはわかります。でも、ソーシャルボタン、コメント欄などもなく、画面上からなんとも言えない過疎感がにじみ出ているんですよね(笑)

試しにアクセス数を調べてみたところ、なんとも寂しい結果が。

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えっ、アクセスこれだけ?!

あくまでデスクトップだけの推定値にはなりますが、70,000アクセス/月位しか流入がありません。政府の大本営発表が1日2,500アクセス弱って・・・(泣)ブログ始めて4ヶ月のかるびの素人ブログよりもPV少ないじゃないですか!!

これだけお金かかってるのに月7万PVで、よく2008年に事業仕分けされずに持ちこたえられたなという印象です。(と思ったら、事業仕分けの進捗を政府インターネットテレビで特集してた形跡があった/苦笑)

さらには、ネットではこんな感想なども・・・。

ネーミングがそもそもサギ臭いという意見もあり。お年寄りに配慮して変にひねらず、ストレートなダサいネーミングにしたんだろうと好意的に解釈しときます。

さらには、こんな意見も。

わかる。なんとも言えない人気の無さと廃墟感がどうしてもつきまとうよね。

そして、このディストピア感といえば、どこかで既視感が・・・

・・・

・・・

・・・

そうだった、インパクだ!

2000年~2001年、森総理が進退をかけて(笑)取り組んだインターネット博覧会。結果として、批判と非難ごうごうで、大失敗に終わりました。「官業が慣れないことをやるとまず失敗に終わる」典型的な例となりました。政府内でもトラウマを残した大事業でしたが、なんか、これの名残が感じられるのですよね。

ちなみに、インパクの跡地はこちら。(本体は削除済み。魚拓)

インパク跡地
http://web.archive.org/web/20011201043042/http://www.inpaku.go.jp/index.html

とは言え、役に立つコンテンツもかなりある

かなりもったいない感がある、そんな「政府インターネットテレビ」です。それでも一つ一つのコンテンツは、万人向けの教育系番組として見てみると、よくまとまっているものも結構ありました。最後に、かるびが見た中で、おすすめコンテンツを5つ貼って紹介しておきますね。

1,インフルエンザ特集「徳光・木佐の知りたいニッポン」

今年はこれから本格化しそうなインフルエンザを含めた感染症の予防方法についての詳細な解説。これは役に立ちます。見ておいて、自衛の役に立てたいです。

2,エコドライブの実践動画

動画中で、「今日からできる」「素人でもできる」10個のエコドライブTIPSが紹介されています。これは生活に直結する良いコンテンツ。ガソリン代を浮かせよう。

3,アニメ「めぐみ」

主人公の名前とか、生々しくてそのまんまです。小学校などの道徳の授業とかで使われるのかな。エンディングにオリジナルソングまでついていて、本格的でした。

4,テレワーク特集「徳光・木佐の知りたいニッポン」

労働者側は実現を望んでいるけど、使用者側の意識がなかなか変わらず、実現が進んでいない分野。この番組では、マイクロソフト社のケースが紹介されています。MSええなー。かるびも現会社の社長に何度か直訴したけど、「日本の会社はみんなで集まって働いでなんぼだろう」的な話で相手にもされなかった┐(´д`)┌ヤレヤレ

特に中小企業の経営者全員に見させて、全員へレポート提出を命じたい(笑)

5,消費者庁のテーマソング「おしえてね あぶないカモ」

なんだこの曲は(笑)と思って見てたんですが、消費者庁職員による作詞作曲だそうです。歌詞も曲調もどストレート。一生懸命手作りで作られたその曲は、ダサさを通り越してほっこりしました。

スーパーとかでよくかかっている「さかなさかなさかな~♪」と似たようなノリでしょうか。ちなみにCDは出ていないですが、こちらから楽譜、歌詞、音源を落とせる模様。とりあえずうちの子に歌わせてみようかな。電池とか誤飲しなくなる効果はありそう。子どもを事故から守る!プロジェクト - テーマソングについて

まとめ

官公庁や地方自治体って、時には「民業圧迫だ」と言われながらも良い取り組み・良いコンテンツを無償提供してくれていることが結構あるんです。でも、大抵の場合はプロモーションが弱すぎて、だれも知らない、だれも活用しない、そんな残念な状態で、予算だけが粛々と執行されてコンテンツが密かにアップデートされ続けている。

そんな典型的なコンテンツが、この「政府インターネットテレビ」だと思うんです。アマチュアブロガー並のアクセス数で、もう10年以上安定稼働してきました。でも、少なくとも、7万アクセスレベルのコンテンツではないと思います。

こんなのいらないよ!今からでも仕分けしろ!って言う人も多いと思います。でも、せっかく政府が用意してくれているコンテンツでもあるし、活用できるものは活用して、我々の生活に役立ててなんぼなのかなと思いました。

ネーミングなど、多少スジの悪いところは目を瞑りつつ、政府インターネットテレビ、ブログネタの補強やひまつぶしのウォッチにはおすすめです。

それではまた。

かるび

誰もが村社会からは逃れられない。けど居心地の良い村もあるはず

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かるびです。

誰もが村社会から逃れることは出来ない。
 
よく、田舎では生きづらいという話を聞く。
 
田舎に移住しようとしたら「やめておいたほうがいい」と。
都会の暮らしに疲れて癒やしを求め、開放感を求めて移住した先の移住先では、都会よりもしがらみの多い村社会でしたーーー。
 
田舎では村社会があり、互いの行動をチェックしあったり、村の独自ルールに従わなければ村八分にされたり。ネットで検索をかけていると、こうした田舎での村社会に適合できず立ち往生した体験談をかなり目にする。
 
でも、これって、都会や他の場所でも同じことが言えるのではないのだろうか。
 
例えば、都会においても、東京の下町であれば江戸時代から「五人組」等に代表されるように、町内会が幅を効かせ、一定のコミュニティを形成してきた。
 
実際、現代でもかるびの住んでいる東京の下町地区では、区画ごとに細分化された町内会が割と強固に機能しており、東日本大震災後は、そのコミュニティの求心力が高まっているという。
 
仮に、町内会的なものを全て忌避して暮らしていくにしても、学校や会社に行けば、結局はコミュニティからの干渉は避けられない。
 
会社では会社のルールに縛られる。朝礼で社訓を暗唱したり、暗黙のうちに始業30分前に行かなきゃいけなかったり、日曜日に会社行事があったりとか。
 
で、これがもういやだ、ってことで、会社を辞めてネット世界に逃げこんでも、やっぱりここでも村社会が立ちはだかる。せめてネット上では自分のやりたいようにやるぜ!と思ってもやはり完全には自由には振る舞えないのだ。
 
たとえば卑近なケースで言うと、はてなブログなどの通称「はてな村」。ブロガー同士で仲良くしたらはてぶ狙いの互助会扱い。ネタが微妙だったり、面白くなければブックマークコメントで総ツッコミを浴びて炎上。まぁまぁやりにくい(苦笑)
 
Facebookも同じ。実名縛りでリア充アピール合戦だし、Twitterも深く覗いてみると、クラスタごとに細かくグループが分かれており、ゆるいコミュニティが形成されていることがわかる。
 
正直、自分も生きにくい実社会から逃れられるフロンティアがあるのではないか?と、過去、ネットのコミュニティにいくつか属してみた。しかし、いずれのコミュニティでも実社会さながらのルールが存在していた。面倒事があった。
 
結局、人が誰かと関わり合って生きていく限り、どんな場所・局面においても、その時点で参加しているコミュニティから自分にとって好ましくない干渉を受けてしまうことは、不可避なんだと感じる。
 
調子のいい時は、どうってことはないのだけど。
気分的に滅入った時、どうにも閉塞感を感じてしまうのだ。
 
では、この閉塞感をどうしたらいいのか?
 
それに対する究極的な答えは、無人島や人里離れた場所で、できるだけ人との接点を少なくして生きていくこと。仙人のような生活をすれば、上記全ては自然と解決する。
 
だけど、それもなかなか別の意味で根性が必要なので難しいだろう。
 
また、完全に自分自身の自我を放棄し「あきらめる」という選択肢もある。
どこに行っても生きにくさを感じてしまうのは、自分の自我がその時その時に所属しているコミュニティのしきたりやルールに対して反発し、イヤだ、と感じるから。
 
で、あれば、自分の自我を一旦ゆるめて、イヤだと感じる部分も甘受して、あきらめて受け入れてみるのも有効かもしれない。
 
しかし、それができるのであれば、皆すでに悟りを開いているはずで、なかなか一般人ができることでもない。現に自分にはできていない。
 
であれば、どんな選択肢が他にあるのか。
それを考えていた時に、ちょうどポジ熊氏のエントリが目に入ってきた。

そうか、サードプレイス、という考え方があったか。
 
生活する場、職場とは違う、自分が本当にリラックスできる第3の場所。
 
Wikipediaを見ると、例えばブラジルでは床屋なんかが、庶民がリラックスして気楽に交流できる場として書かれている。
 
日本で言うと、昔の田舎なら、村の共同浴場だったり、今の都会なら行きつけのドトールだったり。あるいは、紹介したポジ熊氏のように、ブロガーたちのネットコミュニティだったり。
 
どんなところでもいいので、自分の、いわゆる「業」、いわゆるマイナス面も含め、自然な形で自分を開放できるお気に入りのコミュニティを見つけておくことが、閉塞感脱出の一つの鍵になりうるんだな、と感じた。

私事だが、この春に13年働いた今のシステム会社を退職することになっている。

退職後、どのような展開になるのかはまだ何も構想はないが、少なくとも自分だけの「サードプレイス」をこれを機に真剣に探したいと強く感じた。
 
とりとめもない雑感ですが、今日はこんな感じで。
かるび 

河津桜まつりを楽しもう!全国各地の河津桜まつり9選+5

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かるび(@karub_imalive)です。

河津桜を知っていますか

みなさんは、「河津桜」という早咲きの桜を知っていますか?

ここ10年程で、その知名度は全国区になった感はありますが、伊豆半島の河津町を起源とする早咲きの桜の名前です。

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(引用元:河津桜まつり公式サイト

これが、河津桜の原木です。河津町内の飯田さんの家に1955年に植えられ、当時から早咲きで地元の話題となっていました。調査の結果、カンヒ桜とオオシマ桜の自然交配で生まれた新種の早咲き桜と認定され、「河津桜」と名付けられました。河津桜はこの1本から、全国へと増えていきました。

2月には開花~満開になります

毎年、2月が近づくとかるび家では、スキーとお花見を同時進行で楽しんでいます。一見、季節感がバラバラでわけがわかりませんが、なせそんなことになっているかというと・・・

それは、お花見と行っても、早咲きの桜、「河津桜」のお花見に行くからなんです。河津桜の見頃は、卒業式/入学式シーズンに咲くソメイヨシノやシダレサクラなどの通常のサクラより1ヶ月以上早い、2月初旬~3月中です。

だから、春スキーとバッティングするんですね。去年は、伊豆半島へ河津桜を見に行った翌週に、雪の降る中新潟でスキーを楽しむ、みたいなある意味季節感のない展開になっていました。

全国の河津桜まつりを紹介するよ!

さて、そんなかるび家も、特に妻と結婚して以来、ここ10年程は、欠かさず毎シーズン1箇所以上は各地の河津桜まつりに行っています。もはや、春先の定番家庭行事です。そこで、今日のエントリでは、今年開催されるお薦めの各地の河津桜まつりをまとめて紹介してみたいと思います。

それでは、行ってみましょう!

1,糸川桜まつり(静岡県熱海市)

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(引用元:http://www.ataminews.gr.jp/event/208/

厳密には河津桜ではなく、あたみ桜と言うインド原産の寒桜です。(いきなりしょっぱなから河津桜でなくてすみません・・・まぁ近縁種ですのでお許しを)本州では、河津桜よりも早咲きで、本記事を書いている2016年1月23日時点で、すでに満開のものもあるとのこと。今すぐ楽しめます。

熱海の海岸沿いの目抜き通り沿いに、糸川という小川がありますが、そのほとりを中心に植えられています。のぼりが立っているのですぐわかるはず。

そうそう、余計なお世話かもしれませんが、お子さん連れの場合は少しご注意。糸川のそばに何件かせっけんワールドがあります(笑)「パパ、あれなーに?」「しっ、黙って桜見てなさい!あっちみるんじゃないよっ」みたいにならないようにご注意。お花見のあとは近くに熱海梅園もありますので、梅と桜の両方を満喫できますよ。

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関連リンク:

第6回 あたみ桜 糸川桜まつり - 熱海市観光協会 公式観光サイト
市営駐車場マップはここをクリック

2,河津桜まつり(静岡県河津町)

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(引用元:SAKURA BLOG 河津桜情報:2015年02月

全国から花見観光客が殺到する、早咲き桜の全国知名度No.1イベントです。わずか1ヶ月の開花期間中、人口7,500人の河津町へ実に100万人以上の観光客が押し寄せます。よって、地域住民総出で金儲けおもてなしです。沿道の民家が臨時カフェに早変わりしていたり、お弁当を売っていたりして、沿道の物販も売り子さんの目が円マークで風情がありますよ。

ちなみに、河津町は夏は今井浜で海水浴もできるし、温泉もあるし、一年を通して楽しめる南伊豆のおすすめ観光スポットでもあります。

ただし、交通渋滞には注意!とにかく交通の便が悪い伊豆は、限られたルートしかないため、まつり期間中の土日は、国道135号線は熱海まで全線渋滞します。車で来る際は、渋滞情報と回避ルートを頭に入れて、できれば近くに前泊するのが良いでしょう。

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関連リンク:
伊豆河津桜まつり情報局
SAKURA BLOG 河津さくら情報
極楽!河津桜花見術
河津桜観光協会HP:河津桜まつり

3,みなみの桜と菜の花まつり(静岡県南伊豆町)

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(引用元:http://www.minami-izu.jp/entry-info.html?id=73493

早咲き桜のメッカ、河津町から20kmほど下田寄りに走った南伊豆町の青野側下流域で開催されているお祭りです。全く同時期に祭りも開催されていて、コンテンツも風景もほぼ同じ。なのに、河津は全国区、南伊豆はマイナーな地域レベル・・・どうしてこんなに差がついた・・・。

でも、川沿いの両岸に菜の花、桜並木が並んでいるのは河津桜まつり同様、かなりの迫力です。これに加え、少し歩いたところに菜の花専用会場があります。ここは見渡す限り黄色い菜の花畑が広がり、本当にお薦め。

河津桜まつりに比べると、観光客が圧倒的に少ない穴場なのです。駐車場もスムーズに泊められるので、混むのがちょっと・・・という人は、こちらの会場で楽しむのもありだと思います。

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関連リンク:

第18回南のさくらと菜の花まつり(南伊豆町観光協会)
パンフレットPDF

4,三浦海岸桜まつり(神奈川県横須賀市)

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(引用元:三浦海岸桜まつり・花の名所案内

2002年からまちおこしの一環として始まった、比較的歴史の浅いお祭りです。河津町から河津桜を譲り受け、三浦海岸駅から線路沿い沿線1kmにわたり、菜の花とセットで植樹。順調に大きくなり、近年はかなりキレイに映えるようになってきています。河津まで行くのは正直遠いな~という方は、こちらをいかがでしょうか。

まだまだ発展途上のお祭りですが、東京から一番近いのは魅力的。こちらで花見をした後、海沿いを歩いたり、水族館(油壺マリンパーク)・いちご狩りへ行ったりと、近くの観光地もフラッと見ていけますよ。

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関連リンク:
第14回三浦海岸桜まつり-三浦市観光協会
三浦市観光協会Facebook(開花情報)

5,かんなみ桜まつり(静岡県函南町)

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2001年から、こちらも町おこしのために「かんなみ桜の会」が主催して410本の河津桜を柿沢川沿いに植樹。これが順調に成長し、年々見応えが増している穴場中の穴場です。まだ知名度が低いため、イベント開催は1日きりの単発ですが、桜は長く楽しめますので、他の会場とはしごするのも良いと思います。それぞれ会場では2.5km、3.5kmの散策コース案内が置いてあるので、人混みにも合わずにじっくり散策出来ますよ。

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関連リンク:
函南町観光協会
かんなみの桜観光マップ(平成28年度版/Jpeg画像)

6,頼朝桜まつり(千葉県鋸南町)

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(引用元:保田川沿いの頼朝桜開花状況 - 保田川頼朝桜の里 竹灯篭まつり

頼朝ってなんやねん・・・と思って由来を調べました。源頼朝が旗揚げ緒戦の「石橋山の戦い」で平氏と戦い敗走して船で流れて上陸した地が、鋸南町の「竜島海岸」だったそうです。その史実にあやかり、町起こしのために植えた河津桜を「頼朝桜」と名付け、インパクトを出しました。

ちょうどダム湖の回りに植えたのですが、500、1000と言ったレベルでなく、14,000本も植えたって凄い。確かにTwitterに上がってた動画を見ると、分散してはいるけどかなり植わってる感じ。

これも穴場なので今年行ってみようかなと思っているところの一つです。千葉県在住の方は是非。

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関連リンク:
千葉県公式観光物産サイト「まるごと!eちば」-頼朝桜まつり
鋸南町観光協会

7,免々田川菜の花・桜まつり(愛知県田原市)

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(引用元:河津桜|田原市観光ガイド【渥美半島観光ビューロー公式サイト】

5年前から始まった手作り感満載の河津桜まつり。地元のロータリークラブ主催で、田原市福江町を盛り上げるためにスタートしました。過去のフォトギャラリーを見ると、地元密着の手作り感満載。渥美半島は、この他にも菜の花まつりが大々的に行われているのでハシゴするとより楽しめそうです。

東京から行くなら、ここを楽しんでから、伊良湖岬からフェリーで渡って翌日は伊勢神宮・・・なんてプランもいいかなーと思ってしまいます。

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関連リンク:
免々田川|田原市観光ガイド【渥美半島観光ビューロー公式】

8,興津宿寒ざくらまつり(静岡県静岡市)

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(引用元:第19回興津宿寒ざくらまつり - じゃらんnet

ここも、熱海同様河津桜ではなく、ウスカンザクラと言う種類です。こちらは植得てある本数の割に、会場写真を見ると人出が多い印象(笑)地元に愛されている春の定番イベントになっているようですね。ネットで検索すると、桜の写真よりもイベントの写真ばっかり出てきます。それだけ盛り上がっているということなんでしょうね。

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関連リンク:

『第19回興津宿寒ざくらまつり』開催のお知らせ : 静岡市清水商工会
第19回興津宿寒ざくらまつり パンフレット(Jpeg画像)

9,小出川桜まつり(神奈川県茅ヶ崎市)

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新湘南バイパス沿いの河川敷で、今年も2月21日から開催中です。歴史はまだ10回と浅いのですが、今後人出が期待できそうなお祭りです。

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まつりはないけどいい感じの河津桜スポットはこちら!

1,すみよしの桜(埼玉県坂戸市)

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(引用元:すみよし河津桜 すみよし桜の里 - 坂戸市の散策/観光案内

こちらは埼玉県坂戸市。2003年からまちおこしのために河津桜を河川敷に植樹しました。まだ若木で、大規模な祭りは開催されていないようですが、埼玉県で見れるのはここだけなのでこれから要チェックの河津桜スポットとなりそうです。

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関連リンク:
坂戸市観光協会 特集ページ
すみよし河津桜 すみよし桜の里 - 坂戸市の散策/観光案内

2,浜松フラワーパーク(静岡県浜松市)

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ここは社畜として会社の社員旅行でオリエンテーリングをやった時に行ったのですが、ものすごく広大な敷地内にものすごい量の花が咲いていて、これで1,000円でいいの?!と驚いた思い出が。会社のイベントじゃなければもっと楽しめたかも。
平日行ったのでかなり過疎ってましたが、子供連れて、思い切り安心して走り回れるいいところです。終わったらうなぎも楽しみたい(*‘ω‘ *)

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関連リンク:
はままつフラワーパーク 公式サイト

3,茨城県フラワーパーク(茨城県石岡市)

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(引用元:1,000本の梅と250本の河津桜を楽しめる早春の筑波山 | トラベルjp<たびねす>

穴場中の穴場。筑波山の裏側にある茨城県フラワーパークでも、最近楽しめるように鳴っていました。かるびも何度か行ったことがありますが、あじさいとかバラで有名です。ここで、まさか早咲桜が見られるとは思いませんでした。多分、これが現状まとまって河津桜を楽しめる場所としては、最北限だと思います。

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関連リンク:
花と緑の楽園 茨城県フラワーパーク公式サイト

4,御殿場高原時之栖(静岡県御殿場市)

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あまり知名度は高くないですが、「時之栖」は御殿場高原の広大な温泉付き総合リゾート施設。この施設内で、ものすごい数の桜が植樹されています。施設内での桜祭りはソメイヨシノが主体で、3月26日~4月10日までなのですが、河津桜も園内に約1,400本あり、かなり見応えがあります。施設内レストランで飲む地ビール「御殿場高原ビール」もいい感じ。

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関連リンク:
御殿場高原時之栖(ときのすみか) 公式サイト 

5,おまけ:東京ディズニーシー(千葉県浦安市)

なんとディズニーシーにもあるんですよね。結構有名なので、開花情報はツイッター検索でわかります。いい時代だ、、、。場所は、メディテレーニアンハーバーの右奥にある階段を上がった所。去年のレポがこちらのサイトで詳しく紹介されています。毎年かなり早くから咲き始めるみたいですね。

まとめ

最近は、河津桜を初めとして、各地で早咲き桜のお祭りが増えてきました。桜を楽しめるシーズンが2月から5月頃までがっつり4ヶ月間楽しめるようになってきています。実際、かるびもここ数年は、シーズンに3~4回お花見に行っているような気がします。

河津桜が有名になったことで、早咲き桜は、温暖な太平洋側沿岸地域ならもはや伊豆半島に行かなくても楽しめるようになりました。もしよければ、今年はどこか2月辺り早めにお花見に行ってみませんか?

それではまた。

かるび

江戸東京博物館 ダ・ヴィンチ展「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の挑戦」を見てきたよ

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かるび(@karub_imalive)です。

ダ・ヴィンチ展。ちょっと美術館や博物館に行く習慣がある人なら、もう「またかよ」って思う位あちこちで開催されているわけです。

大阪だと、グランフロント大阪でこんなのも開催中ですね。

今日取り上げるのは、この1月から東京江戸博物館で始まった「特別展 レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の挑戦」。絵画を中心として、その素描や発明品や設計図など、あれこれと展示してくれてます。

というか、ダ・ヴィンチ展っていつもこんな感じですね。絵だけじゃなくて、それ以外の素描や設計図らしきものやコンセプトの解説なども一杯。あと、同時代のフォロワーさんの絵画なんかもあって、割とごった煮状態。

いや、悪くはないんですよ。今回も「糸巻きの聖母」が日本初上陸となるなど、目玉は頑張って持ってきてくれてるんです。だから、この「糸巻きの聖母」1枚でも1,500円は惜しくはないと思います。

数年前に別のダ・ヴィンチの企画展に行った時も感じたのですが、絵は意外に少ない。それほど沢山描いてないのと、数少ない絵は、世界中で引っ張りだこになっているので、有名絵画が一同に会した大回顧展はなかなか開けないのでしょうね。

正直、直前に見たボッティチェリ展ほどの感慨はありませんでした。手放しで「すごくよかった!」というわけでもなかったけど、良かったのもありました。ということで、少し辛口レビューになりますが、良かった点とちょっと残念だった点を取り混ぜてレビューしてみたいと思います。

混雑ぶりをチェック

行ったのは、1月17日(日)午後15時頃。公開初週の最初の休日だったので、これはやばいだろうなーと思って心配していましたが、あっさり入れました。

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誰も並んでません。

それでも、一つの絵に、数人程度は人だかりができるくらいにはそこそこ人がいましたので、全く入っていないわけではありません。入り口で、さくっと音声ガイドも調達して、早速入っていきます。

ちなみに、音声ガイドは俳優の生瀬勝久が務めています。声が渋かった。
音声ガイド・グッズ・カタログ | 特別展 レオナルド・ダ・ヴィンチ

ハイライトは「糸巻きの聖母」

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さて、展示会は終盤に飾ってある、この「糸巻きの聖母」がハイライトでした。まぁ、ぶっちゃけ今回はこれ1枚のために開催されたようなものです。それだけ、今回の展示では存在感が際立っていました。

本作品は、1501年、ダ・ヴィンチが画家として円熟期を迎えていた時の作品で、ダ・ヴィンチ自身が開発したぼかしの技法「スフマート」を駆使して描かれた柔らかいタッチが白眉です。赤ちゃんのイエスが手に持っていて凝視している棒、これが「糸巻き棒」なので、「糸巻きの聖母」と名付けられました。

イタリア人にしか見えない人物像(笑)

そういえば、ダ・ヴィンチの絵画って、誰も突っ込まないのですが、なんか顔つきがイタリア人そのものじゃないですか?マリアにしてもイエスにしても、元々は中東系の顔立ちのはず。なのに、ダ・ヴィンチの描く人物って、どれもこれも、どう見てもイタリア人なんですよね。

例えば、これとかもそう。

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左は、有名な「洗礼者聖ヨハネ」。ダ・ヴィンチが「モナ・リザ」同様、生涯肌身離さず手元に置いていた絵画です。対して、右側は、イタリアを代表するメロディック・メタルバンドRhapsody of Fireのヴォーカル、ファビオ・リオーネです。

どうですか?うーん、似てません??(笑)

レオナルデスキ=フォロワーたち

ダ・ヴィンチは、画家としてデビューした当初は、フィレンツェでボッティチェリやミケランジェロら同様、ルネサンスの中心の街で工房を開いていました。ダ・ヴィンチほどの人材でも、当時芽が出なかったって、フィレンツェの当時のレベル、恐るべしですね。

そこで、当時フィレンツェの支配者だったメディチ家は、更にその権勢を伸ばすため、1482年にダ・ヴィンチをミラノに派遣します。メディチ家が当時力を入れていたのが、他都市への芸術家の派遣。(なんか派遣会社みたいですが/笑)ダ・ヴィンチも、このままフィレンツェでくすぶってても・・・ということで、この話は本人にとっても渡りに船だったようです。

そこから、ダ・ヴィンチのレジェンドが始まります。以降、亡くなるまでの間、ミラノとフランスを行ったり来たりする生活でした。そのミラノ時代に、工房の弟子を含めフォロワーさんが一杯現れました。ダ・ヴィンチを慕い、絵画的な影響を大きく受けた弟子やファンたちのことを、「レオナルデスキ」といいます。

レオナルデスキたちは、ダ・ヴィンチの作風を真似るだけでなく、全く同じ構図やモチーフで、大胆にもパク・・・いや、模写した作品を沢山残しています。

例えば、上でイタリア人と一緒に紹介した「聖ヨハネ」にもう一度登場してもらいましょう。

まず、これがオリジナル。まぁ、いい感じです。

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 フォロワーその1。作者不詳。

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背景が明るくなりました。まぁまぁよく描けてる感じ?ですが、左手の指の描写とかは微妙に少し描ききれていないみたいです。ちなみに、この作品は今回の展示会ではなく、2013年東京都美術館「ダ・ヴィンチ 天才の肖像」展で来たものです。作者不詳。

さらに、これはどうでしょうか?ん??なんか違和感が?

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よく見ると、上げてる腕が違いますね??雰囲気は似ており、この画家の意地なのか、敢えて少し変えてみたのか、なかなか興味深いところです。

・・・といった感じで、今回の展示会では(でも?)、このレオナルデスキ達の絵画も合わせてたくさん紹介されています。正直な所、ダ・ヴィンチに比較すると、素人が見ても、明らかに「あれ、これ厳しくね?・・・」とわかる作品ばかりでした(笑)それが却ってこの時代におけるダ・ヴィンチの天才性・偉大さを印象づけています。

絵画だけにとどまらないダ・ヴィンチの天才性

ダ・ヴィンチは、絵画だけでなく、あらゆる分野で優れた業績を残しています。今回の展示でもう一つの目玉とされていたのが、10数枚の「鳥の飛翔に関する手稿」。ダ・ヴィンチが書き留めていたノートです。

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軍事家でもあったダ・ヴィンチは、情報セキュリティにも配慮し、この手稿をなんと鏡文字で左右反転させて記録しています。説明では、「左利きだから」とありましたが、だからといって鏡のような反転文字を自由に書けるって、尋常じゃありませんね。どれだけ手間かけたんだ、って感じですが、それだけ関係ない人に読まれたくなかったのでしょうね。

博物館内では、こんな感じでまとまって陳列されています。

日本語対訳などもありましたが、書かれている内容やそれぞれの作図が意図するところがサッパリわからず。まぁ、「鳥のように外をとびたいんや!」という気持ちはよーくわかりました。そして、ダ・ヴィンチさえの天才でも、存命中にはついに飛行機は実現せず、ライト兄弟までその後数世紀を要します。

まとめ

見どころは、「糸巻きの聖母」。これがダントツです。ストレートに言うと、その他展示物は、「糸巻きの聖母」だけで困っちゃうから、とりあえず一緒に持ってきました。展示会サブタイトルに、「天才」とつけとけばOKだろう(笑)という感じです。

レオナルデスキ達の絵画は、正直笑っちゃうレベルのものも展示されており、展示物全てが感動的でハイレベル、というわけではありませんでした。でも、とにかくダ・ヴィンチがとてつもない天才である、ということがわかっただけでもまぁ良かったかなと思います。今のところ、結構すいているみたいなので、もし興味があれば是非足を運んでみてくださいね!

それではまた。

かるび

PS 最近、美術館系のネタが続いていますが、2016年1月はこんなのにも行きました。春先はどこの展覧会行こう?という人は是非参考にして頂ければと思います! 

さらに、行きたい美術展のまとめなんかも書いてます~。エントリ公約通り、行きたいところは全部行く予定ですよ?! 

新卒採用では、なぜ学歴偏重がなくならないのか?採用担当の立場で考える

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かるび(@karub_imalive)です。

最近すっかり雑記オンリーになってきたこのブログですが、今日の朝、たまたまFacebookで回ってきたこの記事を見て、久々に就職・採用についての記事を書こうかと思い立ちました。

かるびも(もうすぐ退職するけど)採用担当になって10年経ちました。現会社での採用戦略を立案する際に、新卒採用については採用ターゲットを定めて採用活動を行っています。

いわゆる一般論として、「これはけしからんな!」ってことではなく、企業の中の採用担当の目線から、なぜ学歴重視の新卒採用をやめることが難しいのか、少し説明してみたいと思います。もし読者の中に、これから就活を始める学生さんがいたら、少しハードな内容になりますが、ご容赦ください。

実力主義なのは入社してからの話

そうなんです。一旦会社に入って仕事を始めてみれば、大手も中小も昔ほど学歴が偏重されることはなくなってきています。東大、早慶を出ようと、使えない奴は使えない。最終的に実力で重要ポストへ登用される機運が高まってきていますね。そうでないとこれからの時代、生き残っていけないですから。

だけど、実力主義なのはあくまで入社後の話。入社前は、完全に学歴偏重とターゲット大学を目的とした採用活動が今もなお盛んなわけです。

中途採用では学歴はあまり関係がない

一部の会社を除き、中途採用は実力主義であり、あまり学歴は関係ない会社が多いです。中途の採用選考で一番重視されるのはなんといってもそれまでの業務経験やスキル。その業界・会社で今日から即戦力となれる専門性やスキル、能力を持っているかどうかが大事なのであって、学歴は二の次なのです。

ではなぜ新卒採用だけ学歴フィルターが猛威を振るうのか

これには、採用担当から見ても幾つかそうならざるを得ない理由があるんです。

理由①:新卒採用偏差値の他に有効な判断基準が設定しづらい

やや乱暴な表現ですが新卒採用は、ギャンブルに近いのです。

中途採用では、それまでの業務経験をチェックし、面接で検証すれば、ほぼ十中八九予想通りのスペックの人材が採用できます。精度が高い。

対して、新卒採用は、あれこれと採用基準や採用手法を工夫してみても、正直なところ、将来一括採用した中から誰が伸びてくるのか、さっぱりわからない。過去、コンピテンシー採用をはじめ、色々な手法が編み出されてきましたが、採用時点での見立てと、その後の活躍がなかなかリンクしないのです。

良さそうなやつだな!これはいい!と思った期待の社員が伸びずにあっさり退社したり、逆に当初採用した時はもう一つでも、何年か経過した時に一気に頭角を現してきたりとか。

特に、男性の採用は難しいです。これは専門職的要素が強いシステム開発業界だけかもしれませんが、男子は30歳ごろまで鳴かず飛ばずでも、30過ぎに自覚が備わり、人並みにコミュニケーション能力がついたところで、一気に芽が出てくる人も結構います

だから、誰を採ればいいのか、現場での面接だけじゃわからないのが現状です。そうなると、最終的には消極的ですが偏差値とかで判断するしかないわけですね。

理由②:上司が学歴偏重主義の場合が結構ある

企業の採用担当って、採用基準の立案や採用活動での最終的な意思決定は、自分ひとりでできるわけじゃないんです。必ず、上司たる人事部長や、役員クラスのお伺いを立てながら採用戦略を考えなきゃいけない。

いくらやる気のある若い採用担当が、実力本位の採用手法を取り入れようと思っていても、上司である最終意思決定者は、皮肉にも学歴社会を勝ち抜いてきた有名大学卒のおじさんだったりします。そんなおじさんは、口を開けば「今年は早慶で◯✕人採っておきたいよなぁ」などと言うわけで、彼らの意向を完全に無視できるわけじゃありません。

結局、採用担当も、サラリーマンなわけです。上司の意向を踏まえて、学歴フィルターを設定せざるを得ない場合が結構あるのです。不毛ですけどね。

理由③:現場の肌感覚でも、上位大学のほうが優秀に感じる

例えば、かるびの会社は中小SIerですから、採用強化ターゲット大学は決めますが、学歴フィルターは設定していません。(しても人が来ないという・・・)そうなると、色々な大学から学生が選考を受けに来ます。

すると、やっぱりなんだかんだで、筆記試験のデキだったり、面接やエントリーシートのデキだったりを見ていると、有名上位大学の学生の方が、確率的に良い人材が固まっているように感じるのです。

下位の大学にも、良い人材はいることはいます。でも、その割合が上位大学に比べると明らかに低い気がするのです。体感値ですが、上位大学の学生が、3人に1人ぐらいで、いわゆる「あたり」の良い人材に出会えるとしたら、下位大学は、例えば10人~15人位に1人位の割合に下がっていくのですね。

採用担当は、基本的に会社の中ではコスト部門です。コストは少しでも削減した方がいい。基本的には、少数精鋭での限られた活動リソースでの採用業務遂行を余儀なくされている会社が大半です。すると、限られた勤務時間を有効に使うためにも、下位の大学よりも「確率論」的に、良い人材がいそうな上位の大学との接触を増やしたい、そう思うのが自然な流れなんです。

理由④:景気回復は企業の採用スタンスを保守的にさせる

直感的には、話が逆だと思いますよね?でも、そうじゃないんです。人材調達については、景気が悪いほうが、企業は革新的な採用を試みます。少数精鋭を採ればいいので、幅広い層から見極めて採用しようとする。

でも、景気が回復してくると、沢山の新卒を一定量採用しないといけない。すると、幅広い層から見極めている時間はなくなり、代わりに確率論的に、良さそうな人材がいそうな大学から沢山採用しよう、という機運が高まるのです。

この表を見てください。実際にデータが実証しています。

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HR総研が毎年実施している企業向けのアンケートで、新卒採用にて「採用ターゲットを設定しているか?」という推移表です。なんと、景気回復期に、急速に「採用ターゲットの設定」≒「学歴フィルター」を選考時に設定する企業が増えていることが分かりますね。

なぜ上位の大学の学生が優秀と感じるのか

社会人になってから、仕事の出来不出来を左右する一つのスキルとして、事務処理能力や基本的なコミュニケーションスキルが挙げられます。いわゆる社会人基礎力と言われる分野ですね。パソコンをちゃんと使えたり、まともな文章を書いたり、報告連絡相談ができたり。

こういった、社会人基礎力があると、仕事もはかどり、生産性が高まります。現代のスピード重視・生産性/効率重視のワークスタイルが手本とされる企業環境では、やはり厳しい受験勉強を勝ち抜いてきた人材の方が、何かと親和性が高いのですね。

受験勉強は、「何かを深く考える」より「何かを効率よく覚える」または「わかりやすく文章を書く」といった、記憶力や整然としたアウトプット力が要求される分野です。これをそつなくこなして有名大学に入った学生は、必然的に、デジタル処理を基本とした高速・効率的な事務処理能力が要求される現代の日本での働き方と親和性が高いのだと思います。

下位の大学生も伸びしろはあるが教育コストがかさむ

では、下位大学の大学生がダメなのか?というと、そういうことではないのです。採用担当を10年やってみて感じるのは、下位の大学生も「教えればちゃんと響くし、仕事はできるようになる」のです。

ただし、時間がかかる。何年か、忍耐強く成長を待たなければならない場合が多いのです。何かを覚えて、何かを早くやる作業っていうのは、本質的にはセンスよりも、反復練習による熟練部分の方が物をいう世界になってきます。それは、天性のものではなく、努力次第でなんとでもなる。大学受験時にその辺りの能力が未開発だった下位の大学生だからといって、できないわけではない。そう思います。

最後にかるびの会社はどうなのか書いてみる

少し上述したように、かるびの会社は中小Sierです。あからさまに学歴でのフィルタリングはしません。というか、学歴等で明確に求人上の採用制限をかけることは、労働法規違反なのでできません。

ただし、採用戦略として、特に採用に力を入れたいターゲット大学は毎年「こことここ!」みたいに決めています。強化対象校には足繁く通い、インターンシップ生の受け入れや学内採用選考会を設定してもらいます。

では、具体的な採用ターゲットはどこだったのか?

東大を初め、旧帝大クラスや早慶クラスは、実は最初から採用ターゲットから外していました。そこまで派手なベンチャー企業でもないし、成長力も著しい会社ではないのです。業界自体の不人気も手伝い、彼らに内定を出しても、どうせ来てくれませんから。

よって、採用で狙ったのはMARCHクラスでした。MARCHクラスで何人か取れればOK.そして、ボリュームゾーンが日東駒専クラス。これに加え、女性採用強化の観点から、インターンシップ等で懇意にしている女子大数校をターゲットにしていました。なので、一般的な学歴フィルターの変形版みたいな感じですね。

まとめ

残念ながら、新卒採用における学歴フィルターは、この先十数年も変わらず残り続けると予測します。個人的な思いとしては、良いものでもないので、一刻も早くなくなってほしい気持ちはあります。しかし、簡単にこの仕組は解体しないでしょう。

残念ながら入試で失敗して、下位ランクの大学に入ってしまった。それは、無策でいると3年後の就職活動においては、そのまま苦戦することを意味します。

この流れを踏まえ、学生さんも、また学生さんの親御さんも、どうやったらこの学歴偏重の流れの中で幸せなキャリアをつかめるのか/つかませてあげることができるのか、考え続ける必要があります。

では、策は何かないのか?早慶に入らないと、有力企業には就職できないのか?いくつか、個人的に考えていることはありますが、それはまた長くなりそうなので別のエントリに譲りたいと思います。(・・・需要があればすぐ書くけど)

それではまた。

かるび

最近野菜高くない?なので、いつでも野菜を安く買う方法を考えた

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かるび(@karub_imalive)です。

皆さん、野菜食べてますか?

先日、はてなブックマークを見ていたら、ホッテントリにこんな記事が上がっていました。

これを見て思ったのは、いや、これ、ぶっちゃけ、アメリカだけじゃなくて、日本でもそうなんじゃないの?ってこと。特に、生産地から離れた大都市圏では野菜は安くない。そして、新鮮さも少し足りてないように感じます。

これに加え、野菜は、春夏秋冬どのシーズンでも天候不順の影響を受けやすく、値段が上がりやすい食品です。ここ数年は、夏も冬もどこかしらで天候不順により、価格が高騰しているって言うニュースをよく耳にしませんか?

試しに調べてみました。下記の表は、ここ10年程の、野菜1kgあたりの卸売平均価格です。ここ10年で約1割ほど全体的な価格が上昇していますね。

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(引用元:e-STAT 青果物卸売市場調査)

今年も、暖冬で葉物野菜が安くなってシメシメ・・・と思っていた矢先、このところの寒波で、九州産を中心に、野菜が高騰してしまいました。

厚生労働省が推進している「健康日本21(第2次)」計画によると、日本人の大人の野菜摂取目標は、1日350グラム。しかし、この計画が立てられた平成13年から、日本人の野菜摂取量は、一貫して300グラム未満となっており、足りていない現状です。

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(引用元:一般社団法人 ファイブ・ア・デイ協会HPより)

この一つの原因としては、下がり続ける平均所得の中で、野菜の価格が高止まりしていることは否定出来ないと思います。よって、今日はおいしい野菜をどうやったら安く手に入れることができるのか、その方法を少し考えてみたいと思います。

1,最初に結論

いきなリ結論から入りますが、新鮮な野菜を安く手に入れるには、以下の3つの要素を抑えて買い物をすれば大丈夫です。それは・・・

・規格外の野菜を

・できるだけ直販か通販で

・旬の時に買う

ということです。この3つを抑えれば、新鮮で栄養価が高い状態の野菜を、非常に安く手に入れることができるでしょう。

では、なぜこの3要素が大事なのか、1つずつ見ていきたいと思います。

1-1:規格外の野菜が安いわけ

スーパーに出荷される野菜は、まず見栄えが良くないと売れません。泥は丁寧に落とされ、キズもなく見栄えが良いもののみ店頭に置かれます。見た目上、やや見苦しい形に曲がっていたり、表面にキズがついてしまった野菜は「規格外」として、評価が下がってしまうのです。

こういった「規格外」の野菜であっても、食味や栄養価は変わりません。でも店頭に出しても売れないので、一般ルートではなかなか出回りません。また、出回っても「できそこない」扱いですので当然安くなります。

最近は、このような「規格外」野菜をアウトレット的に販売するところも増えてきているので、ここを狙い撃ちするのが基本的な戦略です。

1-2:できるだけ直販か通販で買うと安くなる

まず、野菜の生産地に住んでいる人は、地元の直売所や道の駅等で、その日に採れた旬の野菜を安く購入することができますね。かるびもよく旅行に行くと、旅行の最終日などで、旬の野菜をおみやげに買って帰るのが最近の楽しみです。東京の都心に比べるとアホみたいに安くて、ついまとめ買いしてしまいます。

例えば、春先だと、菜の花や芽キャベツなんかは東京都心だと、例年1束/1袋300円程度します。ハッキリ言って高級食材です。でも、これが伊豆や房総半島に遊びに行った際、野菜の直売所を覗いて値段をチェックしてみると、100円を切っていたりする。直売所最強です。

では、大都市では市場などを通さず、直接買うにはどうしたらいいのか?宅配や通販をもっと活用しましょう。箱買いやまとめ買い、規格外の野菜を指定して購入して、コストを下げることができます。鮮度についても仲買いを介さずとれたての野菜をそのまま受け取れるので、スーパーよりも良いケースが多いです。

1-3:旬の時に購入する

野菜は、旬の時に食べるのが一番値段が安く、栄養価が高いです。昔の野菜に比べて、最近の野菜は栄養価が低くてスカスカだと言われることもありますが、統計値の取り方に由来するようです。昔は栄養価が一番高まる旬の季節に栄養値を取得していましたが、最近は年間を通じて収穫できるので、年間平均値を栄養値としているからだそうです。この図をみてください。

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(引用元:農畜産業振興機構 2008年11月情報コーナー記事より抜粋)

トマト、にんじん、ほうれんそう、どれをとっても、明らかに、それぞれの旬の時期に一番栄養価が高くなっていることがわかりますね。野菜を購入する時は、その野菜の旬の時にしなさい、と昔から言われるわけがわかりますね。旬の時期にコスパが最強になるわけです。

2、どこで買うのがお薦めなのか具体的に挙げてみる

それでは、どこで購入するのがお薦めなのか少し書いてみたいと思います。もし、ここで書いた以外にお薦めの手段があれば、是非コメントやTwitter、ブコメナドで頂ければうれしいです。頂いた意見はすぐに調べて、追記してまとめていきたいと思います。

それではいきますよ~。

2-1:全国の農産物直売所

まずはここ。生産地近隣や地方在住者なら、必ず近くに一つや二つは知っていると思います。大都市在住者でも、例えば、下記のサイトで調べておいて、旅行や遠出をした時に、立ち寄ってみるのもいいと思います。

この、「Green Tourism」では、全国都道府県の農産物直売所を網羅しています。旅行中に直売所によく行く人は是非お気に入りとかブックマークに入れておきたいところです。

また、こちらのガイドブックなども使えると思います。マイカーに常備?!

2-2:全国の道の駅

こちらも、ほとんどの道の駅構内に野菜の直売コーナーがあります。ただし、場所によって品揃えは変わりますし、鮮度や価格では、農産物直売所には劣るケースが多いです。いくつか検索サイトがありますが、最新の物を網羅しているのはこちらのサイト。

また、道の駅 公式ホームページ – 全国「道の駅」連絡会といった公式HPなどもありますので、買い出しに行くときは抑えておきたいですね。

2-3:楽天やAmazonなど通販で規格外を購入

楽天やAmazonなどで、
「野菜 規格外」
「野菜 わけあり」
などと入力して、検索してみてください。
すると、下記のような商品が一杯ヒットするはずです。楽天、Amazonどちらも多数の会社が参入しています。

<楽天>

<Amazon>
※探しやすいように、ウィジェット貼っておきました。

2-4:生協系の宅配サイト2社

生協系宅配サイトは、「コープみらい」と「パルシステム」がありますが、両方共に非常に野菜は安いです。年間を通じて、常に一定価格なので、市場で野菜が2倍、3倍となっている時も、通常価格で安定供給してくれます。

かるびも現在「コープみらい」でもう10年ほど宅配をお願いしていますが、野菜を高値で買ったことがありません(笑)

また、規格外やわけあり品、野菜ボックスや、大量一括購入(キロ単位)での割引も年中やっていて、むしろお得感が薄れるくらい当たり前になりつつあります。こちらは本当に重宝します。お薦め。

2-5:その他宅配サイト

オイシックス」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」など数社ありますが、いずれの宅配でも、まず狙いたいのは「野菜ボックス」のような一括で届くタイプと、規格外の割引品です。通常品は有機野菜などが多めにフィーチャーされているので、割と高い物も多いです。安く買いたいのであれば、このあたりから狙っていくといいでしょう。

2-6:スーパーの見切り品(ただし鮮度に注意)

スーパーで、賞味期限が迫っている見切り品が、非常に安くなっている場合があります。これは、日持ちする根菜類等はいいとは思いますが、葉物野菜などはきちんと状態を確認した方がいいと思います。

もし見切り品が「形が悪い」等の規格外品をやすくしてあるのであれば、何の問題もなく躊躇わず買えばいいと思います。賞味期限の問題で安くなっているのであれば、必ず状態を確認して、品質の劣化が著しければやめておくのも大事です。

2-7:近くの昔気質の地域一番店の八百屋さん

最近めっきり減ってしまいましたが、よくよく探せば、地域で異常に客付きの良い八百屋があるはず。もし見つかれば、そこは当たりです。スーパーが乱立し、コンビニでも野菜を売る時代に、これら企業と伍して戦える元気な八百屋は、本物だと思います。

例えば、東京都心だと、北千住のテレビにも出た「杉本青果店」とか、水天宮、浜町、新川で大人気の八百屋チェーン「プロデュース」など、探せば必ず近くに1軒、2軒はあるはずです。ぜひ、行きつけの地域一番店を見つけてみてください。

まとめ

図書館に行って、「野菜を安く買う方法」を調べてみたのですが、意外にあまり需要がないのか、その手のハウツー本はありませんでした。むしろ生産者側として、直売所で儲けよう!とか、工業化/オートメーション化でがんばろう!とかそういう本は沢山みかけました。

こういうノウハウって、特売日を把握したり、それぞれのスーパーの特徴を頭に叩き込んだりと、昔は主婦の暗黙知に属する領域だったんだろうなと思いました。

冒頭で書いたように、今や野菜は高価な食材となりました。是非みんなで新鮮な野菜を安く買う方法をシェアして、体に良い食事をコスパ良く作っていければいいですね。

それではまた。

かるび

 

チリワインの日本への輸入量がNo1に!なぜ急速に販売が伸びたのか考える

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かるび(@karub_imalive)です。

3日前の日経新聞ですが、こんな記事がありました。

2007年にEPA(経済連携協定)を締結し、輸入量が急増しだしてから8年。とうとうチリワインが、日本でのワイン輸入量No.1となりました。実に、協定締結前の10年前から9倍以上に増えたことになります。

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(引用元:読売新聞記事より)

ちなみに、この図で一旦1998年にフランス産、チリ産ともぐっと消費量が上がっているのは、赤ワインの「ポリフェノール」がもてはやされた第6次ワインブームによる輸入増の効果です。

かるびも、家飲みで購入するワインは大半が安旨系のチリワインなんです。

今日は、どうしてこんなにチリワインの輸入が急増したのか、その理由と、最後にお薦めのチリワインを書いてみたいと思います。

急増した理由①:安い!

コンビニやスーパーで売っている500円以下の輸入ワインって、ほぼ全部チリワインです。もうラベルをまじまじと見なくても、すぐにわかります。実際に、この価格帯での値付けは、他の国からのワインではなかなか難しい。なぜなら、ワインの元々の価格に加え、輸入する際の関税が乗っかってくるからです。

前述しましたが、チリと日本は、2007年9月よりにEPA(経済連携協定)を発効させ、そこから段階的に輸入関税をゼロにする取り決めをしました。他国から輸入する場合は、約15%かかる関税が、チリとの間では2016年現在5.8%に、軽減されています。これが、2019年には、ゼロになる見込み。

特に、売れる銘柄については、コンテナ単位でバルクで輸入して、瓶詰めは別途日本でやっています。ただでさえ大ロットで輸入して価格が安いのに関税がゼロなので、こういう芸当ができるんですね。

急増した理由②:開けてすぐ飲める!

高いワインって、飲むまでの手順もあるし、時間がかかるんです。例えばボルドーやブルゴーニュの赤ワインのように、開けてから1時間、2時間経過してからようやく味が「開いて」飲めるようになる、気難しいワインが結構あります。

開けた瞬間、「しぶっ!」「マズっ!」となるんです。こういう場合は、デキャンタに開けて空気に触れさせたり、コルクを開けてしばらく放置したり、飲むまでのハードルが高い!まぁ正直面倒なんですよね・・・┐(´д`)┌ヤレヤレ

それに対して、チリワインは開けた瞬間からいきなり楽しめる。これは大きいです。例えば、仕事で疲れて家に帰ってきて、冷蔵庫からワインを取り出して、開けたらすぐに飲める。この自由さ、気軽さがチリワインの良いところです。

急増した理由③:味がわかりやすい!

フランスやイタリアワインは、複数のぶどう種をブレンドして作られる事が多いです。特にボルドーの赤ワインは、毎年のぶどうの出来具合を見て、醸造長が少しずつ調合割合を調整し、そのシャトー独自の伝統の味を守っています。

その点、チリワインは違います。ほとんど、単一種のぶどうから作られて、そのぶどうそのものの味をストレートに表現しようとします。ラベルを見ると、例えば、「Cabernet Sauvignon」(カベルネ・ソーヴィニヨン)とか「Chardonnay」(シャルドネ)みたいにぶどうの品種名がデカデカと書いてありますから。

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そして、味もストレートで、わかりやすい!赤ワインは渋くないし、白ワインは果実味や酸味が引き立っています。開けてすぐ、インパクトのある味が楽しめる、それがチリワインですね。

特に、チリで有名なのが、「チリカベ」という愛称としても有名な「カベルネ・ソーヴィニヨン」種。渋み成分であるタンニンが抑え目で、代わりにシャープな酸味とオーク樽の甘いバニラ香で、非常に飲みやすい造りをしていることが多いです。迷ったら、「チリカベ」を試してみましょう!

要するに、コスパが良かった

要するに、コスパが良いということなんですよね。いつ開けても、安くて、安心してそこそこの香りと味が楽しめる。このチリワインのコスパの良さこそが、ワインをハレの日に飲む敷居の嵩いお酒から、日常的に楽しめるカジュアルな存在へと変えてきた原動力だと思います。

チリワインこそが家飲みワインの救世主

例えば、フランスワインで、外さないレベルのものを楽しもうと思ったら、フルボトルで最低でも3,000円位のものを買わないといけません。(1,000円とか1,500円のものもあるけど、ハズレ率が高くなる・・・)

そのあたりは、こちらのシロクマさんの記事に書いてあります。曰く、覚悟を決めて5,000円札か10,000円札出して良いワインを嗜め!と。

これはこれで、非常に良い記事。ワインは「沼」と形容されるように、趣味として深く深くはまろうと思ったら、やっぱり5,000円位はガツンと投資したい所。かるびも、今日は飲むぞ!・・・じゃなくて、楽しむぞ!という日は、セラーから5,000円級のものを投入する日もあります。

でも、毎日は難しい・・・(笑)

例えば日本人の世帯年収が400万~500万程度として、普段から3,000円のワインを家飲み晩酌で使えるでしょうか?恐らく無理でしょうね・・・。

仮に、1本3,000円として、1日2合≒400ccほど飲むとします。すると、2日で1本、月単位で15本消費。休肝日を作らず、毎日飲み続けると45,000円かかります。うーん。特別な日ならいいけど、毎日毎日ワイン代だけで45,000円もさすがにかけられませんよね。

そこで、チリワインの出番です。チリワインなら、例えば、中上位になるグレードである1本1,000円のワインを2日で飲みきったとしても、月15,000円。これなら、まぁなんとかなるかな?という感じですね。

かるび家では・・・

実はうち、ワインセラーがあるんです。安物の24本型のワインクーラーです。今までは、ワインを買ってきたら、常温でそのままポーンと段ボール箱に入れていました。ただ、去年の5月中旬、「今年こそ、ワインに夏を常温で越させる訳にはいかない!」と思いたち、思い切って省スペース型のセラーを導入した次第。

で、そのセラーの中身ですが、基本的には3,000円以上の中級以上のワインで埋まっています。仲間内の飲み会(保育園の飲み友が多い・・・)や、自分へのご褒美を上げる日に、少しずつセラーから取り出して開けていくのですが、普段はやっぱりぽんぽん高いのは開けるわけには行きません。

そこで、普段はコンビニや通販、量販店で買ってきた1,000円クラスのチリワインを気軽に晩酌で楽しむようにしています。妻は、せっかく高いの買ったんだからガンガン開けたらいいんだよ、というのですが、どうも貧乏症なのか、セラーの高いお酒はもったいなくてあけられないのですね。

そんなわけで、チリワイン、かるび家でも大活躍です。

おすすめのチリワイン3選

チリワインは、2016年現在ではほぼ全部の造り手のワインが、ワイン輸入業者の手で日本に入ってきていると見ていて間違いありません。

中では、1本10,000円を超える高級ワインから、300円クラスのカスカスのワインまで色々あります。ここでは、安くて堅実に楽しめて、かつどこでも全国手に入れやすいチリワインのブランドを幾つか紹介しておきますね。

おすすめ①:Cono Sur ヴァラエタルシリーズ

ConoSur(コノ・スル)社は、低価格ながら驚くほどの品質で、輸出で成功してきました。イギリスでの成功を皮切りに、アメリカ、日本などで高い評価とシェアを獲得することに成功しています。このConoSur社では、ベーシックラインとして、「ヴァラエタル」シリーズが素直にお薦め。写真の通り、ラベルに自転車の絵が描かれているワインです。白、赤共に700円~900円位でブドウ品種ごとに販売されていますが、どれを飲んでもハズレがない、最強コスパワインです。

おすすめ②:SUNRISEシリーズ(コンチャ・イ・トロ社)

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コンチャ・イ・トロ社は、チリで最大手クラスの造り手です。コンチャさんとトロさんが作った家族経営のワイナリーが大成功したケースですね。アメリカではチリワインのトップブランドとして成功していますし、日本でも恐らく出荷量はコノスルあたりと1,2を争うでしょう。

このSUNRISEシリーズは、そのコンチャ・イ・トロ社の下から2番目のクラスのグレードで、価格的には900円~1,000円前後で売られていることが多いです。キリンが輸入代理店なので、全国のスーパーやコンビニで手に入ります。スクリューキャップで開けやすいのも尚可。こちらもハズレなく、費用対効果抜群のワインです。

おすすめ③:モンテス・クラシック・シリーズ(モンテス社)

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最後は、かるびが一番好きなメジャーどころ、モンテス社。モンテス社は、チリで最も輸出志向のワイナリーです。輸出にも耐えられるだけの実力をつけて、中高級品の世界中への企画・販売で大成功しました。同社の旗艦シリーズは、「モンテス・アルファ」シリーズで、2,000円ちょっとでフランス/イタリアの5,000円クラスの味わいが楽しめます。

でも、それだとちょっと普段のみには敷居が高い。よって、今回はその「モンテス・アルファ」ではなく、一つ下の、初心者にもお薦めのベーシッククラス、「モンテス・クラシック」シリーズを紹介します。1,500円以下で買えますので、こちらも普段使いにぴったり。これも価格対比でコスパ抜群でした。

まとめ

ということで、今日はチリワインについて少し書いてみました。今や家飲みワインファンには、チリワインは無くてはならない友であります。休肝日もほど良く取って、気軽に毎日チリワインを楽しんでいきたいですね。

それではまた。

かるび

PS そうそう、過去にも安ワイン系の記事は、こんなのも書いています。もしよければ是非見ていってください~。

 

 


40歳で、この春、会社をやめたらやってみたいことがまとまってきた

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僕は、まもなく、40歳の春を迎えます。
そして、会社を辞める予定です。
 
実際に、会社を辞めてから何がしたいのか、イマイチ自分でもよくわかってなかったのですが、なんとなく整理できてきました。ここで、今の自分の心境をまとめておいて、後で見返せるように、ブログに書いておこうかなと思います。
 

進学校で勉強してた学生時代

さて、40歳となった今、どうでもいいことではあるが、僕はいわゆる世間から見たら高学歴な方だと思います。
 
きっかけは、小学校5年生の時に両親の方針で中学受験をしたこと。
中学受験までの1年半、学習塾に通い、いわゆる中高一貫で大学受験教育をやってくれる御三家のすべり止め校に合格しました。導いてくれた両親にはもちろん感謝しています。
 
さて、その進学校は、名前は伏せますが、夏にはふんどしで水泳練習、冬には柔剣道で寒稽古するなど、時代錯誤な古き良き質実剛健な校風に、六年一貫の進学教育が売りでした。
 
学校の中では、入学してすぐのテストから、1位からビリまで毎回容赦なく成績表を保護者に配布するなど、徹底されていました。競争心を煽り、学生を勉強に向かわせる仕掛けが満載で、僕もその仕掛けに洗脳され乗っかり、中学・高校と割とストイックに勉強してきた覚えがあります。
 
6年間受験勉強してきて、成績は常に真ん中くらいでした。それでも、それなりに受験勉強にカスタマイズされた中高一貫の進学教育は強烈でした。両親の献身的なサポートもあって、現役で慶応の経済に進むことができました。
 

大学に入ったら反動で留年しました

でも、さすがに大学進学後、1年生の秋にとうとうその反動が来ました。親元を離れて一人暮らしになったことも影響したかもしれない。パタリと勉強をしなくなりました。
 
それまでは6年間受験という目的のために机に毎日1時間、2時間と向かうことが当たり前だったのですが、大学生活は、なんだかんだで自由です。次第に、授業に出席せず、楽をすることを覚えました。
 
以降、留年も経験し、「勉強をする」という観点では、完全に方向性を見失ってしまいました。やりたいこともわからなかったし、だからといって机に向かうこともいやだった。
 
勉強を放棄した代わりに大学で得られたのは、いわゆる人生勉強の部分です。六年一貫の進学校で帰宅部で勉強ばっかりやっていたため、おかげですっかりコミュ障になっていました。人間関係の作り方がわからなかったのです。重症。
 
女性とは口も聞いたことがなかったので、どう話していいのかもわかりませんでした。それでも、入ったサークルがまぁそれなりに良かったのか、まず普通に人とコミュニケーションを取れるようになり、サークル活動で仲間との共同作業を通して何かを達成することに夢中になれたのは良かったです。
 
閑話休題。来年から、早稲田大学の入試改革の一貫で、AO入試(自己推薦)の比率を高めることになったそうですね。その理由というのが、一般の受験生より、AO入試で入った学生の方が優秀だからだそうです。
 
それは、なんとなくわかる気がします。一般の受験生は、受験自体がゴールであり、受験勉強で消耗している人も多いと思われます。そういう受験生は、入試が終わって大学入学後に、本当にやりたいことや、学びたい学問・教養に向き合う精神的な余裕が残っていないのでしょう。
 
その点、AO入試生は、そこまで受験戦争で消耗しきっておらず、結果的に入学してからの学びに対する姿勢が、一般の受験生よりは自覚があるということなんでしょうね。
 

そして社会人になりました

話は戻ります。
さて、勉強をさぼりにさぼった大学ですが、卒業する時にやっぱり後悔しました。
 
「あっ、もっと勉強しておけばよかったな。」
 
心残りだったのが、大学時代の5年間で、物事を覚えるだけの受験勉強ではなく、本質的な教養を身につけたり、本物の学問へ挑戦すればよかった。ということ。
 
その思いは、社会人になってからも、ずっと自分の中で、心の奥底のあたりでくすぶり続けていました。
 
大学卒業後は、両親に心配をかけたこともあり、また、このままじゃダメだっていう思いから、今度は一転して、仕事に打ち込むようになりました。
 
不器用ながらも15年間サラリーマンで、大企業~中小企業で経理、営業、採用といろんな業務をやらせてもらって、仕事についてはそれなりに経験値はしっかり貯めたつもりです。なんか英語や労務系の資格も一杯取りました。
 

どうしても休みが欲しくなった。

ただ、ここ5年ほどは、どうしても生活の中で「仕事」のウエイトが高すぎて、知らない間に少々疲れてしまっていました。本格的に何か休みが欲しいな・・・そう思い始めた時に、、、
 
大学時代遊んでしまって、やっておけばよかった、ということを再度体が動くうちに、やっておきたいなという欲求が抑えられなくなりました。
 
ちょうど、妻が仕事に復帰し、それなりの給与を稼げるようになってきたこともあります。というか、ざっくり僕の1.5倍あって、年々差が開いている、、(+_+) そして、子供が保育園を卒園するこのタイミング、今しかないと思いました。
 
そうだ、1年間、仕事を休んで、人生の夏休みを取ろう。
 
欧米だと、サバティカル休暇という休みがあります。
サバティカルとは、使いみちに関係なく、職務を離れた長期休暇のことを指します。
 
例えば、欧米や外資系企業では、社会人になって10年、15年経過したところで、所属する会社に復帰する前提で、3ヶ月~1年位の長期の休みが与えられる会社があるそうです。羨ましい。
 
日本の会社には、残念ながらそういう制度はありません。いや、探せばあるのだろうけど、40歳位の働き盛りの年齢で、長期間の休みが取れる制度を導入している会社はそうそうお目にかかったことはありません。
 
もちろん、今所属している会社にも、そんなものはありませんでした。
少しでも稼働率を上げて、労働資本を高速回転させて利益拡大、成長を目指すベンチャー系SIerにそんなものがあろうはずがなく、結果的に、長期で休みを取るのであれば、「退職する」一択なわけです。
 
退職は、あっさり認められました。使えないからかな(笑)
4月中旬で退職予定です。
 

これからやってみたいこととか

この4月からやってみたいことが一杯あります。
恥ずかしいのでこの場で全部公開するのは控えますが、方向性としてまずやってみたいのは、いい教養、いい学問にいっぱい触れたいということ。
 
社会人になってから、インスタントな自己啓発ばっかりで、小手先のスキルは一杯身につきました。でもそれじゃ、なんというか渇きは癒せないのですよね。
 
でも、大学に入り直す、とかそういう方向じゃなく、自分自身でその時に興味が湧いた分野の教養や学問を、自分なりのやり方で掘り下げて、知って味わいつくしたいのです。
 
昔から知りたがりやなので、何でもわからないこと、不思議な事は知りたくて仕方がない。インターネットの発達で、世の中に出回っている情報量は飛躍的に増えました。360度、周りを見回したら「これ、どうなっているんだろう」「これを知りたいな」と思うことばかりです。いい世の中です。
 
いわば、壮大な自由研究をやってみたいんですよね。
テーマは色々。
 
その日のニュースから着想を得てインスピレーションのままに掘り下げるもよし、テーマを設定して、それをやってみるもよし。
 
とりあえず、1年限定でいろんなことをやってみます。
それを、文章という形で、ブログに起こしてアウトプットすることで、自分の中で学びを加速・整理させたいし、周りの人にも楽しんでもらえたらもっといいと思います。
 
もちろん、生活もあるし、将来のキャリアもあるので、遊ぶのは1年限定ですけどね。
 
そんなわけで、読者の皆様、もうしばらくよろしくお願いします。
 
かるび
 
PS
熊(id:pojihiguma)さん、交代です(笑)
 

採用担当として、休職者の職場復帰支援で心がけていることについて

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かるび(@karub_imalive)です。

人には得意、不得意があるっていうけど、努力しなくても、割と人より簡単にできてしまう、いわゆる天賦の才を、皆一人一つは何かしら持っているものだと思います。

自分の場合、与えられたギフトのうちの一つとしては、誰かの話を「聴く」能力、楽しく雑談する能力がそれにあたるのかな、と最近感じています。

そういえば、自分の話をしたい人はものすごく多いですが、しっかりと誰かの話を「聴ける」人って少ないと思いませんか? 僕は、人の話を聴くのがあまり苦になりません。そして、職場では敵を作らず、年齢の壁なども関係なく、誰とでも楽しく仕事をすすめるのが得意です。単に人畜無害なだけなのかも(笑)

まぁ、割とありきたりなスキルではありますが、企業の採用担当をやっていると、結構それが生きてくる場面があります。

その一つとしては、休職者のフォローアップ。

これまで、様々な事情で精神面/肉体面で変調をきたして会社を休職する人のお世話を何人もさせてもらいました。今日は、ちょっとそのあたりの話を書いてみたいと思います。

ITシステム開発企業は休職者が一杯

僕の会社は、ITシステム開発業界で、客先に常駐したり、持ち帰って一括でシステム開発を受託開発する中堅企業です。いわゆるSierというやつですね。

Sierという業界は、とにかくストレスフルな職場が多いです。プロジェクト毎に環境が変わり、色々な人と慣れない環境で働かないといけません。良いプロジェクトもあるのですが、長年働いていると、どうしてもハズレプロジェクトに当たることがあります。それはもう、避けられない。

もちろん、会社としては精一杯セルフケアに加え、管理職からの定期ヒアリング等、メンタルケアで色々な手は打つのですが、それでも精神面/肉体面で変調を来たして休職に追い込まれてしまう人が出てきてしまいます。

そんな時、よく彼らのお世話役を会社から仰せつかることが多かったのです。

休職者のフォローアップでは何をするのか 

一旦休職に入ったら、まず復職までのプランを主治医の診断書や意見を参考にしながら、休職者と一緒に話し合って確認していきます。そして月に1回傷病手当の提出や、休みの間の事務処理などもフォローアップしていきます。

メンタル面が原因で会社を長期間休職する人は、きちんとフォローせずに放置していると会社が決めた休職期間中を休んでしまい、休んでいるうちに気持ちが萎えて、そのまま退職に至るケースが多いです。

いや、フォローアップを行ったとしても、最終的には復職に導けずにうつ症状が長引いてしまい、そのまま退職となるケースもたくさんあります。

そこで、フォローしていく僕のスタンスとしては、まずは彼ら休職者の話をとにかくしっかり聴くこと。そして、結果には期待しないで彼らに寄り添い、安心感を持ってもらいながら、復職への道筋をつけていくこととなります。

どうやって休職者の気持ちをほぐしていくのか

まず、自分はカウンセラーではありません。なので難しい技法は使わないし、使えない。

その代わり、心がけるのは1つだけ。それは、休職者の話を徹底的に聴き、楽しく雑談することです。

これは、採用担当で10年間取り組んでみてわかったことなんですが、採用されたばかりの人や、休職者など、立場が不安定な人は、ものすごい不安と闘いながら日々過ごしているのです。

そこで、ひたすら雑談をして、とにかく休職者の話を聞いていきます。1回のセッションは、1時間位でしょうか。その中で、仕事とは全然関係ない雑談をしたり、話を聞いてひたすら共感したり。世間話だけして終わることも多々あります。(会社には、なんか色々話したことにして体裁整えて報告しますが)

休職者の人と向き合うのに、こちらから余計なアドバイスや力の入った話は無用だし逆効果になるんですよね。余計な気を使わせてしまうので。

役に立った傾聴の技術

話を聴いていく中で、一つだけカウンセラーの技術を援用しています。それは、「傾聴」というコミュニケーション技法。少し前、もう少し意識の高い時に(笑)、一時期カウンセラー的な資格を取得しようと思って塾みたいなものに通ったことがあります。

最終的には面倒になって資格取得はしませんでしたが、そこで得た最大の知見が、「傾聴」という技術でした。「傾聴」とは、文字通り、相手の話をしっかり聞くことであり、そのための技術体系全般のことを指します。詳しい話は、hirosanさん (id:b-zone-salariedman) の、以下の4記事が非常にわかりやすくまとまっています。

聞き上手になるために1 興味と関心をもつ方法 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために2 シンプルな4つのかかわり方 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために3 話しを促す4つの技法1 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために4 話しを促す4つの技法2 - ちょっと自由に生きるコツ

要するに、この「傾聴」の技術を使い、短い時間の中で休職者達の話を聞き、心に寄り添って共感していけるかどうか?がカギになると確信しています。

単純に休職者と雑談するのは結構楽しい

意外と会社で休職者のサポートをしたがる人ってあんまりいません。通常業務で忙しいし、重苦しい雰囲気になりそうなので気が進まないのでしょう。

でも、僕は、結構休職者の人と話すのが好きなのです。実際、会って雑談をする中で、通常業務ではできなかった趣味や日常の話が何気に楽しいのですね。会社に隠れて色々遊んでたりするし(笑)

休職者の人って、仕事環境から離れているので、持っているオーラが仕事モードじゃなくて、良くも悪くも普段の素の自分自身に戻っちゃってるんですよね。

平日のクソ忙しい中、そんなのんびりモードの彼らとお茶をすすって世間話ができる。これは結構な愉悦なのです(笑)楽しいし、自分自身の癒やしにもなるのです。

また、何気にこれまでしっかりと話したことがなかった人と、のんびりした空間で色々な話をじっくり聞くのは、新たな発見もあって面白いんですよね。

不謹慎な話かもしれませんが、率直な感想なんです。

そして、この雑談と傾聴を通して、彼らの気持ちをほぐしていく中で、自分もくつろげるし、休職者側もがだんだんと復帰に気持ちが傾いてきてくれるのがこの仕事のやりがいなのです。

特にメンタルで大変だった人は、復職してもそうそう簡単に治ることがないのでその後も経過観察は大切なのですが、大事なのはまずは復帰してもらうことです。

印象深かったケース:スーパープログラマーAさん

これまでフォローアップをした休職者の中で一番印象深かったのは、メンタルを崩してしまって休職を余儀なくされたスーパープログラマーのケース。仮にAさんとしておきます。

Aさんは、自分が採用担当として未経験からプログラマーとして採用し、その後会社で急成長して2,3年で会社を代表するスーパープログラマーになった人材。いわば天才肌な人です。

しかし、天は二物を与えず。出来すぎるゆえにメンタルは繊細です。高稼働なプロジェクトで消耗し、Aさんは休職を余儀なくされました。

その後、Aさんは退職を願い出ます。しかし、Aさんに思い入れのあった僕は、皆が説得を諦めほぼ退職が決まっていた中、会社にかけあって思いとどまるように説得させてもらい、一旦休職してもらいました。

その後、1ヶ月に1度雑談をして、少しずつ復帰に向けて気持ちを高めてもらい、落ち着いたところで、無事に7ヶ月後に復職する運びとなりました。本当に嬉しかった。

復職後は、人間関係に負荷のかからない早速難易度の高い技術案件で大活躍してもらっています。メンタル的には本調子ではないものの、とにかく仕事場にいてもらうだけで、人より生産性が2倍、3倍と高いので助かるし、頭脳は天才なのに心は繊細なそのギャップが人間臭くて好きなんです。

復職に至るまで、やったことは、雑談だけ。たまに会ってお茶を飲みながら、ひたすら話を聴くようにしただけで、復帰に向けて気持ちを固めてくれました。

まとめ

と言った具合に、今の会社で採用担当になってから、退職やむなし、となって皆が匙を投げた人材も、とにかく話を聞いて、雑談を重ねてくる中で、何人かは仕事に戻ってもらえるように調整することができました。

まぁ、本当は休職しなきゃいけないような状況になってから話をしっかり聴くんじゃなくて、通常業務の中で管理職なり、プロジェクトマネージャーが異変に気づいて初動のケアをちゃんとやっていかないといけないんですけどね。

この春から、会社でやっとPMO(プロジェクト運用をバックアップする要員)を増員して常駐プロジェクトのヒアリングと精神面のケアを始めることになりました。これで、採用担当の休職者面談への出番がもうなくなることを、ちょっと期待しております。

それではまた。

かるび

PS 「雑談」については、こんな記事も書いています。もしよかったら、覗いてやってくださいませ~。 

【美術展感想】大原美術館コレクション展を見てきました(国立新美術館)

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かるび(@karub_imalive)です。

今年は、芸術に一杯触れるぞ~ってことで、美術展をできるだけ多く回ろうと思っています。昨日は、国立新美術館で開催されていた、「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」に行ってきましたので、その感想を書いてみたいと思います。

大原美術館コレクション展とは

岡山県倉敷市に、大原美術館という中国地方最大級の私設美術館があります。現在のクラボウ、クラレ、中国電力などを創立した、大原財閥の創始者、大原孫三郎が1930年に設立しました。大原美術館は、日本初の近代西洋美術館として有名で、戦前は、日本のルーブルと呼ばれていました。

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(引用元:Wikipedia)

その大原美術館の膨大なコレクションの中から、特に著名で貴重な西洋画など数十点を東京新国立美術館に持ってきて紹介したのが、今回の展示会。作品リストPDFは、こちらからDLできます。

この展示会では、東洋・中国美術品から西洋絵画、大正~昭和初期の日本人洋画家の絵画、陶磁器類、版画、そして現代絵画まで、様々なコレクションが飾られていました。

当日の混雑状況

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日曜日の朝一の開門すぐの10時すぎに到着したのですが、ご覧のとおり朝一でしたので、ほとんどまだ人が入館していません。

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入口前もこんな感じ。

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それでも、見終わった13時ごろには、ロビーは人でごった返していましたので、会期終了前の土日などは、かなりの混雑になるのでしょうね。土日に行くなら、とにかく朝一番が良いと思います。

音声ガイドについて

いつもの通り、入り口で音声ガイドも借ります。有料なので、借りている人はいつもそれほど見ないですが、僕は余すことなく観たいので、迷わずいつも借りるようにしています。520円でした。

音声ガイドは、女性のナレーターに加え、男性はなんとピースの又吉直樹。

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(引用元:音声ガイドのご案内 | Hajimari 2016

まぁ又吉の音声は全20ガイド中、半分もなかったような気がします。最近、文化人っぽい仕事が増えてますよね。ただ、中途半端に関西弁でやられても、なんとなくしっくり来なかったような(^_^;)

児島虎次郎という凄腕キュレーター(兼画家)

大原美術館建設前の1910年頃、日本では西洋画家は数えるほどしかいませんでした。実業家として早々と成功した大原孫三郎がまず手をつけたのが、自らがパトロンとなって、優秀な芸術家を育成する事業です。大原は、これは!という芸術家に対して、ヨーロッパへの留学費用を肩代わりし、芸術家育成を進めます。

その大原とわずか1歳違いで、大原孫三郎に見出されたのが、児島虎次郎。大原の援助で、西洋画家としてフランスに留学して腕を磨きます。と、同時に後の大原美術館のキュレーターとして、現地で買い付けにも大活躍しました。

特に圧巻なのは、現地で、モネ、ドガ、ロートレック、マティスら印象派を中心に、ビッグネームから臆せずガンガン直接買い付けをしている点。ロダンとも親交が厚かったようで、ロダンから買い付けた(意味不明な)小さな彫刻もありました。

また、児島虎次郎自身も、昭和初期を代表する西洋画家でした。日本でも、過去に個別展が開かれたこともあります。そして、今回展示されていた児島の作品はこちら。

「和服を着たベルギーの少女」(1911) 

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圧巻でした。独特の筆使いで、近くで見ると油絵の具が立体的に浮いており、離れてみると、特に少女の着物が映えています。不思議な魅力を持った絵でした。是非生で見て欲しいです。

色んな展示があり、勉強になった

お椀とか陶磁器とかも、迫力があって良かったものは多かったです。が、正直、何がどういいのか言語化してまだ説明できるレベルではないので、泣く泣く割愛。というか、陶磁器やお皿を見て「こっ、これは!!うむぅー」と唸れるようになりたい(*´∀`*)

また、最終セクションでは、現代美術にも力をいれていました。展示スペースは一番が大きかったのですが、何を意味してるのかサッパリわからず、客は割と素通りしてました(笑)

一応手元に取ったメモを見返すと「アンフォルメル運動」に影響を受けた様々な絵画・・・が飾ってあったらしい(T_T) この辺はもう少し勉強せねば・・・。

また、日本の西洋美術の草創期に立ち上がった美術館なので、当時の日本人トップ画家達の絵画がかなり充実していました。印象派やフォービズム・キュビズム、戦時中など一通り揃っています。時系列に見ていくと、日本の洋画が発展していく様子が分かりました。

特に良かった西洋画を紹介

さて、ここからは、特に良かった西洋画を中心に、印象深かった絵画をいくつか紹介していきます。

1,エル=グレコ「受胎告知」

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今回展示の一番の目玉とされている1枚。文句無しに存在感がありました。

何でも縦長に人物を買いちゃうギリシャ人のスペインで活躍した有名画家、エル=グレコ。世界的に有名ですね。この絵画は、前に紹介した児島虎次郎が、パリの画廊で一目ボレして買い付けた作品です。当時の金額で、200,000フラン≒30,000円なので、現代だと約1億5千万円でしょうか?!

流石に高すぎて、虎次郎もその場で即決購入はできませんでした。そこで、虎次郎は大原孫三郎に電信で「カネオクレ」と送ります。無事、60日後に、孫三郎から「グレコカエ、カネオクル」と連絡が来て、無事買い付けできました。

今だったら、この手のやり取りはその場でスカイプとかで一瞬でカタがつきますが、当時はこんな簡単なやり取りをするだけで、60日かかる時代だったのですね。時代を感じさせます。

2,ドガ「赤い衣装をつけた三人の踊り子」

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ロリコンで、踊り子マニアのドガ。練習シーンを丹念に観察して描いたと言われます。抽象的で暗めの背景の中、踊り子がクローズアップされる構図。どこからどう見てもドガらしいタッチの絵画です。

3,ピサロ「りんご採り」

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こちらも、虎次郎が直接買い付けした1枚。ピサロは、生涯印象派的な絵を描き続け、ブレなかった画家ですが、その画家人生の中で、一時期だけ「点描画法」にハマった時期がありました。これはその時期の絵画です。こうやってJpeg画像で見るとあまりわかりませんが、絵の前に立つと点描技法がどんなものなのか、よくわかります。

ちなみにこれ、当時の価格で画商から提示された価格が1枚45,000円。当時の価格で1億円程度と言われています。

4,ルノワール「泉による女」

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虎次郎同様、大原孫三郎の支援で、パリに留学していた満谷国四郎が直接ルノワールに製作依頼をした1品。依頼時、すでにルノワールは重いリューマチで筆もちゃんと持てない状態だったのですが、無理を承知で頼み込んで書いてもらった一作です。そして安定の裸婦像(笑)

なんでも、日本に輸入する際に税関で止められないように、当初は完全に裸婦だったところを、下半身に布を描き足して配慮してくれたという逸話が残っています。

5,モネ「睡蓮」

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こちらはモネの晩年作。児島虎次郎が、直接買い付けにジヴェルニーのモネの御殿に三顧の礼で通いつめ、ボタンの苗木をお土産に持参して落としたという逸話があります。晩年のモネの中ではわかりやすく、優しい光にあふれた作品です。

6,藤田嗣治「舞踏会の朝」

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パリに渡って昭和初期に最も成功した西洋画家、藤田嗣治。「素晴らしき乳白色の地」と褒め称えられた、日本画の画法も融合させた新鮮な作風が、現地で受けました。最終的に「レオノーレ・フジタ」と名乗り、フランス人に帰化しています。しかし舞踏会の朝になぜみんな裸なのか、、、。印象派とかその辺りの人は、すぐに裸婦像を描きたがります┐(´д`)┌ヤレヤレ

7,安井曽太郎「外房風景」

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(引用元:http://blogs.yahoo.co.jp/yahagi1999/GALLERY/show_image.html?id=18745404&no=5

デッサンの神と呼ばれた日本の近代洋画の巨匠、安井曽太郎が描いた海辺の寒村の風景。これが一番気に入りました。画像にすると大したことないのですが、目の前で見ると、リアル感が全然違います。

房総半島や伊豆半島って、この絵の構図のように、山が背後にすぐ迫る、漁港がある狭い港町が多いんですよね。太陽が眩しくて明るいんだけど、どことなく郷愁やな一抹の寂しさが漂う、そんな風景画でした。

ちなみに、この絵のモデルとなった風景は、こちらで描かれています。

鴨川行ったら、今度ここに泊まってみよう。

まとめ

こういう◯◯美術館展、っていう企画は色々ありますが、絵だけじゃなく、古代東洋美術から陶磁器、皿、現代美術まで、幅広く集めた作品展は珍しいと思います。全部見て回るのに2時間以上かかって、へとへとになりました。

いつの時代も共通して、美術品の収集はお金持ちの趣味であり、権力や富の象徴ですね。しかし、メディチ家にしてもこの大原孫三郎にしても、彼らが道楽で集めた美術品がこうしてずっと後の世代まで残り、人々の心を豊かにし続けているという事実は、素直に凄いことだと思います。

特に、この大原美術館は、東京でも大阪でもなく、一地方都市である倉敷市にあるっていうのもいいですね。是非、今度中国地方に観光に行った際は、大塚美術館と共に行ってみたい美術館となりました。

それではまた。

かるび

PS

他にも、美術展系では、こんな記事を書いています。もしよろしければ覗いていってみてくださいね。 

オッサンだけど、嫁のお遣いでバレンタインデーの義理チョコを買ってみた!

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f:id:hisatsugu79:20160209233243p:plain

かるび(@karub_imalive)です。

今週のお題「バレンタインデー」ということで、久々にはてなブログのお題に乗って書いてみたいと思います。

多様化するバレンタインの楽しみ方

ここ数年は、ずいぶんとバレンタインデーの楽しみ方が様変わりしているようです。男性に渡す行事としてだけでなく、女性が日頃の自分のご褒美として自分で買って食べたり、友だちと交換したりと、楽しみ方が多様化しているといいますね。

特に、今年は14日が土曜日なので、義理チョコの出番が減って、「友チョコ」「ごほうびチョコ」での購入が目立ちます。

男性はやっぱり影が薄いバレンタインデー

けど!

男性は、相変わらずイベントからは閉めだされたまま。

数年前から、業界が細々と仕掛けている「逆バレンタイン」なんてのもありましたが、売る側の鼻息が荒く、仕掛けがあからさますぎると、どうも定着しないもの。

よって、2016年現在では、未だに男性が積極的にデパ地下などのチョコレート売り場でチョコを物色する風景は出現していないわけです。せいぜいが、2月15日になって期限切れのチョコをコンビニでささっと目立たないように購入する位でしょうか。

そもそもバレンタインの時期には、お店にすごい入りづらい。中に入ろうものには、女性専用車両の中に間違えて入ってしまったとか、女性の下着コーナーに間違えて入り込んでしまったような感覚になります。

義理チョコの買い付けに行くことに

とは言っても、あの華やかな売り場には興味があります。一度もいいから、ずかずか入っていって、思う存分チョコレートを選んでみたいなぁと思っていました。

・・・

・・・

すると、思いがけない展開から、今年チョコレート売り場に足を踏み入れることになったんです。

・・・

・・・

・・・

今週の日曜日の朝。前のエントリにも上げたのですが、この日は朝から六本木の新国立美術館で「大原美術館展」を見に行っていました。見終わって、六本木駅から帰る前、念のため六本木ミッドタウン近くから嫁に電話をいれたところ、、、

嫁「もしもし」
か「うん」
嫁「今、どこにいるの?」
か「あー、今ミッドタウンにいるよ。今から帰る」
嫁「あのさー、もし頼めれば、義理チョコ買ってきてくれない?」
か「えっ(*´Д`)」
・・・

・・・

・・・

詳しく聞くと、仕事が立て込んで、休日も自宅に仕事を持ち帰ってやっているため、買いに行く隙がないとのこと。(夫はその横で茶をすすりながらブログを更新している)よって、代わりに買ってきて欲しいと。

まさかの意外な展開に、一瞬言葉を失ったんですが、待てよ、これはブログネタにもなるし、面白いかも?!と思って、思い切って引き受けることに。

か「いいよ。買ってくる。どんなのを買えばいいの」
嫁「あのね、部署全員分で、一人800円くらいね。まずそれを8人分。あと、プラス2人はチョコレート苦手だからクッキーとかで、あとねぇ、部長はせんべいで」
か「え、なに?せんべい??」
嫁「そう。事前に◯◯さん(会社の同僚)からは部長はせんべいがいいんじゃないって指定が入ってて」
か「は?せんべいなんておいてあるわけないっしょ?まぁいいや、行ってくるわ」

細かく指示が入りました。つーか、バレンタインにせんべいを買わなきゃいけないほど気を使わなきゃいけない部長って一体何様なんだ!!

・・・まぁ、でもわからなくはないです。実はワタクシの嫁は毎年学生の就職人気ランキング上位に入るくらいのザ・大企業に通っているのです。給与もかるびの2倍弱。アホらしくてやってられません。ということで、大企業はやっぱりウェットな人間関係で、色々あるんだなぁと気を取り直し、いざ売り場へ。

適当に店に入りました

ちょうど、六本木ミッドタウンでは、バレンタインデー前の最後の週末ということで、各テナントで特設会場ができていました。スイーツ系のお店も10店舗以上あって、どこに入ったらいいのかすらわかりません。

知っている銘柄がGODIVA位しかわからなかったのですが、さすがにGODIVAではありきたりすぎるだろう、ということで、目の前にあった小綺麗な「DEAN &DELUCA」というお店に入りました。

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(引用元:http://azunee.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/dean-deluca-716.html

この、「DEAN&DELUCA」なる店が、凄いのかどうかもわかりません。ただ、チーズやワイン、生ハム、ジャムなどの高そうな輸入食材が沢山置いてあったので、まぁ成城石井みたいなところなのか、と思ってここで買うことに。

いざ入ってみると、意外に男性の姿も売り場にはいます。彼女と一緒にチョコレートを物色していました。売り場に到着して、最初少し入りづらかったのですが、誰もジロジロ見てくる女性はいません。

なんだ、入りにくいのかなと思ったけど、余裕でした。というか別にやましい物を買っているわけじゃないから、よくよく考えたら当然ですね。

義理チョコって・・・ひょっとしてぼったくり?!

で、冷静になって特設会場でブツを探してみると・・・

すると、ありましたありました。義理チョコから高そうなチョコまでいろいろ。で、思ったのですが、バレンタイン用のチョコレートって結構高くないですか??!!

うん、自分だけじゃないようだ。

どう見ても、「まぁこれ200円か300円くらいかな?」にしか見えないものが、「800円」「1200円」と意外に高いことにびっくり。調べると、チョコレートにかけられている関税率は10%とそんなに高くない。きっと、輸送費と包装代、そして特殊なイベントゆえのご祝儀ボッタクリ価格となっているのでしょう。

義理チョコ1個あたりの平均金額って?

さて、嫁からの指示は、目安として一人800円分平均で購入するように、という買い付け指示でした。これって妥当なラインなのかなと、記事を書きながら検索してみると、ありました。2016年度の義理チョコ平均は1個914円だそうです。。おぉ、なかなかいい感覚じゃないか。

・・・しかし、いくら義理チョコと言っても、渡すのは一人じゃないんですよね。所属している部署内10人分です。ざっと適当にカゴに入れたら、10,000円弱かかることに愕然。まさかの諭吉出動なのか?!思わず、現場から嫁に電話入れちゃいました。

か「ていうか、こんなしょぼいのに800円とか1000円とかかかるけどいいの?もうチロルチョコとか適当にコンビニですましちゃいなよ」

嫁「いやいや、しょうがないんだよ。大企業は色々あるんだよ。君の会社とは違うの。わかったでしょ。義理チョコでも大変なんだよ。女の人は。で、部長の分は買ってくれたの?」

チョコが嫌いな人にも配慮する

ぐうの音もでません。家庭内収入格差社会であります。

・・・はっ。そうだった。甘いモノが苦手な(糖尿病の恐れがある)部長のせんべいを買うんだった。・・・といってもせんべいなんて輸入雑貨屋には置いてあるわけもありません。恥ずかしながら、一応店員に聞いてみることに。

か「あのー。バレンタイン用で、クッキーとかじゃなくてせんべいとかおかきみたいなのってありますか?」
店「(怪訝な顔で)・・・は?」
か「・・・、あ、いや、いいです。ありがとうございました(+_+)」

見事に引かれてしまいました。そりゃそうだよな。バレンタインにせんべいって、アホかと。もういいや!部長、お前は自分でネットで買っとけボケ!と心のなかで毒づきました(と思ったら、あとでネット検索したら和菓子屋の通販など、バレンタイン用のせんべいが死ぬほどヒットした/笑)

結局、部長さんにはクッキーで我慢してもらうことになりました。

ということで、これがその日の買い付けです。 一口サイズのものばかりですね。

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しかし、10名分で 8,781円也!

高い!!

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まとめ

ということで、今回40歳にして、初めてお店で義理チョコの購入体験をしてみました。たった10名分買うだけですが、渡す相手に配慮した、ちゃんとしたものを買おうと思ったら予想外に出費してしまうことがわかりました。もう少し渡す人が多かったら、結婚式1回分のご祝儀くらいはあるよね?!いや、これは大変だわ・・・。

一方で、チョコをもらう方の男性としては、女性側のこういう苦労は見えてないと思います。嫁も、さらにこの後、近くの文房具屋で包装紙とリボンを買ってきて、個別に包装して渡す準備をしてましたから。

まだうちの嫁はそれなりの年で、給料貰ってるからいいものの、新入社員とかだったら生活を圧迫するレベルでしょう。これに加えてまだ本命の相手がいるなら、なおさらですね。

個人的には、バレンタインデーとかは全然興味ないのですが、調査によると世の中の40%以上の男性は、義理チョコであっても、職場やサークルなどでもらえることを期待していると言います。

で、あれば、義理であろうが、本命であろうが、もし幸運にもチョコレートを頂ける機会があったら、せめてしっかりとお礼の気持を伝えるべきなんだなぁとしみじみ思いました。

それではまた。

かるび

気合いの入った書評ブログって、秒速でポチリたくなるよね?

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かるび(@karub_imalive)です。

今日は、書評ブログについて少し思う所を書いてみたいと思います。

僕は、とにかく読書が好きで、単行本、マンガ、ブログ、雑誌、Kindleなど媒体を問わず、活字が大好き。活字中毒です。そして、本を買う時に結構参考にするのが、一般のブロガーさんの書いた書評です。良い書評に出会うと、その場でポチりますから。

ブロガーの書評って、時に抗いがたい魅力があるんです。何が違うのか、改めて自分の中で考えてみました。

プロの書評と一般ブロガーの書評の違い

プロの書評って、流れるように書いてあって、それはそれですごいなーとは思います。例えば、書評レビュー専門サイト「Honz」での書評なんかは、ブロガーではなく、専門のライターさんの高品質なレビューが沢山並んでいます。

ただし、お金をもらって仕事で書いている感もあり、プロの書評って、冷徹で深みのある書評であったとしても、その底流にどこか冷めたものを感じるときがあります。あ、なんか仕事で書いてんのかな、とか。

それに対して、ブロガーが書いた書評は、まず純粋な意味でのストレートな感想文が多いんですよね。そして、わかりやすい。そして、ブログならではの自由な書き方から、個性がたっぷり感じられたりする。明らかに違います。

ブロガーの書く書評のどこがいいのか

正直、ブロガーの書評は、レベルとかも千差万別。文体とかも下手くそで、素人臭かったりすることもありますが、時に、ライターさんの専門的な書評記事を凌駕する感銘・感動を受けることがあります。

心が踊るような読後感の源泉になるのは、ブログ内での書評に込められた、そのブロガーさんの個人的な思い入れとか熱量みたいなものだと思うんです。みなさん、プロの書き手じゃないからこそ、ストレートでわかりやすく熱さが伝わってくるのかなと。

今日も即買いしてしまいました

例えば、普段は自分の専門分野や、雑記ブログを営んでいて、その中で書評が入ってきた時。タイトルを見て、「あれっ」と思って確認することがあります。

例えば、今日は定期購読をしているIchiさんのブログが回ってきて、何気なく開いたら、こんなエントリでした。

ベストセラーでもない、マイナーそうで、誰もが興味を持つとは思えないであろう1冊に、2,000字を超えるすごく熱い書評が書かれていました。

一番魅力的なのはこの本を読んでも「日常生活に全く影響を与えない」ことです。

この一文にしびれました。まだ若く、普段は堅実に自己啓発やキャリアを考えていそうな若者である(ごめんね勝手なイメージで)Ichiさんが「生活や自己啓発には全くならないけど、それでもお薦め!」というのが非常にひっかかり、、、気づいたら文章を読み終わる前にKindleでポチっていました。

こういう場合、割と自分としては購入リンクから即買いしちゃいます。読んだ時の「あっ、いいな」と思った感覚を忘れたくないので。鉄は熱いうちに!です。

どうして秒速で即買いしちゃうのか?

1,人柄を知るブロガーさんのおすすめだから

まず、一つは、普段、僕がFeedlyやはてなで読者登録しているブロガーさん(そしてその素性もしっかりわかっている)が、特に推しているということなら、きっとこれは面白かったんだろう、と素直に推察できることです。

この人が買えって言うなら、買ってみるか。という感じ。その熱い文章に心を動かされるからなんだと思います。

2,本との出会いって、セレンディピティみたいなもの

あとは、本との出会いも、一期一会なんだと思います。ちょうど少し前に読んだエントリで、id:wattoさんのこんな記事がありました。(※この記事、wattoさんの知的な蓄積がすごく感じられ、良記事だった!)

まあ新聞、雑誌は私も読むから、仮にそれらも含めて一日3冊読んだとして、計算を簡単にするため100年でどれだけ読めるかというと、電卓を叩いて 3 × 365 × 100 = 109,500(冊) という数字が出てくる。

引用させて頂いた部分で特に思ったのが、どんなに読書が好きだったとしても、所詮、人間、死ぬまでに読める本のボリュームはせいぜい10万冊と限られてくるわけです。

それなら、誰かの紹介で出会ったのも、これもご縁、ってことで気持よくポチッと買っといたほうがいいのかな。と。

実際に、例を挙げるときりがないくらい、かるびはこうしてブロガーさんやFacebookで友人が熱くおすすめしてくれた本と出会い、非常に豊かな読書体験をしてきました。

3,その後の交流も弾むから

あとは、即買いしたあと、「買ったよ~」と言ってブロガーさんに連絡したり、書籍の感想を伝えたりすると、やっぱりすごく喜んでくれるんですよね。大げさかもしれませんが、共通の書籍を通して、交流やつながりが深まるのも、即ポチのいいところなのかな、と思います。

まとめ

ということで、今日は書評について思う所をつらつら書いてみました。まぁ単に浪費家なだけかもしれない。そうやって積ん読が増えていくわけですが、本に囲まれた生活はやっぱりやめられません。

これからも、熱い書籍レビューを沢山読みたいし、自分でも書いてみたいなぁと思います。それではまた。
かるび

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